facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

JASRAC内設置『楽譜コピー問題協議会』の極論

楽譜の無断コピー防止に向け、昨年9月、日本音楽作家団体協議会(FCA)、JASRAC日本楽譜出版協会、日本作曲家協議会、日本現代音楽協会、日本童謡協会の6団体が連携して、継続的な啓蒙活動の具体策を検討するために発足させた「楽譜コピー問題協議会」(CARS/カーズ)が、ホームページを開設しました。

(社団法人日本音楽著作権協会 お知らせ(9/1付)『楽譜コピー問題協議会(CARS)がホームページを開設』より一部抜粋)
言いたい放題『楽譜コピー問題/楽譜と著作権』にて楽譜のコピー問題を取り上げられています。的確な指摘をされており、必読の内容となっております。
楽譜コピー問題協議会(無論構成団体であるJASRAC等も含め)側は、"楽譜の無断コピー防止"を謳っていますが、言いたい放題さんで掘り下げていく内容を読むにつけ、極論であると言わざるを得ません。
例えば、楽譜など出版物の製作に関するJASRAC内FAQにおいて、このようなものがあります。

合唱団の練習用に楽譜をコピーして使いたいのですが?

質問
合唱団の練習用に楽譜をコピーして使いたいのですが?

回答
無断でコピーすることはできません。必ず購入するようにしてください。ただし、絶版などで手に入らないときには、楽譜の出版元の了承があればコピーが可能な場合もあります。その曲がJASRACの管理作品であれば、あわせてJASRACへの出版の手続きが必要です。

(以上、FAQより一部抜粋)
これに関して、社団法人日本音楽著作権協会 お知らせ(9/1付)『楽譜コピー問題協議会(CARS)がホームページを開設』に記載されている『「無断でコピーできない=必ず購入する」というのはわからない。』の言葉に激しく同意します。
穿った見方をすれば、そこまでして権益を確保したいのか、とまで思ってしまうのですが。

問題にしたい点は多岐に渡るのですが、個人的に気になった箇所は下記の点。

楽譜のコピ−に関する諸問題は相変わらずこれといった解決策もないまま、いわゆる「版面権」の創設も遅々として進展がみられない状況にあることは頭の痛いところです。現行著作権法は著作物の無断コピ−を禁じてはいるものの、制限規定を含め、コピ−は野放し状態です

(以上、日本楽譜出版協会『適正なコピー・ルールの確立に向けて』より一部抜粋)
啓蒙活動、人々を教え導いていこうとする団体は、我々を"コピーを野放し"にする者と見なしているのですか。もしくは、(私的録音録画補償金制度政令化で予測しうる行動とし)一方的に法制化して我々の意見を無視するのですか。そんな見なし方をする団体に啓蒙する云々を語る資格はないと断言します。