facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

オリコンの常識を疑う - オリコン社長の"報道への真意"

弊社の真意は、烏賀陽氏が「事実誤認に基づく弊社への誹謗中傷」があったことを認め、その部分についてのみ謝罪をしていただきたいというものです。

ただ、我々の真意はお金ではありません。個人攻撃でもありません。上記のとおり、烏賀陽氏に「明らかな事実誤認に基づく誹謗中傷」があったことを認めてもらい、その部分についてのみ謝罪をして頂きたいだけです。その際には、提訴をすぐに取り下げます。

(いずれも記事より引用)

あくまで個人的な考えですが。
オリコンのこの掲載は、相手を追い詰める(謝罪へ導く)"心理的作戦"であり、"絶妙なタイミング"と考えています。

①謝罪誘導への囲い込みが周到になされている
謝罪を求めるならば提訴に踏み切る以前に、どんな形であれ本人と話し合うのが筋というもの。その手順を無視したやり方は異様です(そしてそれこそが多くの人にオリコンへの不信感を与えているでしょう)。
しかもその提訴が"個人に対して""高額の"、そして"19人という異常なほどの弁護団を用いて"行われる…太字部分は圧力そのものでしょう。一個人を完膚なきまでに叩きのめすという気持ち悪さすら覚えます。相手へ包囲網を敷いて追い詰め、圧力でダメージを与えたところで、"謝罪すれば提訴を取り下げる"というコメントは、一瞬オリコンが隙を見せたように見えますが、謝罪してもしなくても、二択どちらを選んでもオリコンの勝ちにつながるわけです。
(謝罪しない場合は裁判になりますが、そこで被告が必ずしも負けるとは限りません。ただし、提訴となった段階で、当事者(レコード店やレコード会社社員等)がオリコンの意図的な操作について語る範囲は確実に狭められます。よって、被告のコメントが正しいと立証することは厳しい、と思うのです。)

②このタイミングでの掲載で、報道を知らない大勢の人間を味方につけることができる
本日、年間チャートが発表されました。

この記事により、売上枚数等を求めに、オリコンHPを閲覧する方は飛躍的に増えるでしょう。そしてその閲覧者の中には今回の事件を知らない人が極めて多くいるはずです。オリコンは、事件の発端が1年も前の記事なのに今になって提訴するに至ったのは、この閲覧者上昇のタイミングで"オリコンは間違ってない"ということを、より多くの閲覧者に心理的に植えつけたい、そしてより多くの味方をつけて相手を追い詰めよう、としているのではないのでしょうか。
他方で、前回のプレスリリース、そして今回の社長のコメント双方に、事件の詳細を記した報道(そのリンクを含めて)が一切記載されていません。オリコンは記事の掲載/リンクを全く行わないことにより、閲覧者に事件への客観的な視野を与えさせず、オリコンの主観のみを与えることで、閲覧者への心理的刷り込みを行おうとしているように思うのです。



社長のコメントに、閲覧者の心理に訴える一文が掲載されています。

どんな企業も、主力商品を事実誤認に基づき誹謗中傷されれば、防衛に立ち上がるのではないでしょうか。言い方を換えれば、それは義務であるとさえ言えます。
個人にとっても同じです。自分にとって一番大切なものが、事実誤認に基づき攻撃されるならば、防衛せざるを得ないのではないですか?

その防御や義務は、圧力や言論封殺という手段でなければ果たせないのですか。
防御は圧力とイコールなのですか。

オリコンの"常識"を疑います。