facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

9/10『竹内真 presents 西荻特選スリーマン vol.2』@西荻窪w.jaz

西荻窪w.jazを代表するアーティストといっても過言ではない竹内真さんと、真さんお薦めのアーティストのライヴがいっぺんに観れる贅沢なスリーマンライヴ。しかも各アーティストの持ち時間がこのハコでは他店より長めということもあり、実に和やかな宴を投票前日に過ごせました。


一番手は梅津貴之さん。井の頭で梅津さんが弾き語り中、遠くから聴こえた彼の声に聴き惚れ声をかけたという渡ちささんを従えてのライヴ。前回拝見した時は手にギター、足にドラムという状態で、森山直太朗氏のPVのような観て楽しい雰囲気があったのですが、今回はちささんがパーカッション全般を担当することで、梅津さんはギターに集中。実はハコも初めてならコーラス&パーカッションのちささんとのセッションも初めてと後で知ったのですが、そんなことを感じさせない堂々としたライヴ運びでしたね。適度なリラックスさで、MCでの二人の笑顔も印象的。
2曲目に披露したサニーデイ・サービスの「東京」。恥ずかしながらサニーデイのオリジナルを知らなかったのですが(ファンの方、ごめんなさい)、梅津さんヴァージョンが実にしっくりきて心地良かったですね。というより、梅津さんの声はどこから奏でられるの?というくらいそのほんわかさがたまりません。それでいて表現の説得力もきちんと持ち合わせているので、「東京ナイズ」(梅津さんのHPで試聴可能)での格好よくキレのいいメロディ/サウンドにもしっかり乗ってくるのが見事。
前回拝見したライヴで真ココロさんと共に披露した「小さく大きな幸せ」は、聴くのが2度目なのですがまるで何年も歌ってきたんじゃないかというくらいのクラシック化(自分の中でだけかもしれませんが)。梅津さんは自分のほんわか温かな世界を紡ぎだすのがとにかく巧いのだと実感。次回は9/19@四谷天窓.comfortでかのラブアタックイブさんとの対バンということ! ほんわか対決も見ものです。


二番手はモリモトナオユキさん。ギターサポートの方(名前失念…すいません)とのステージ。
モリモトさんはおそらく自分より年齢が大分下だろうはずなのに、どうしたらあんなセクシーさが出せるのか、と。拝見するたびにそのセクシーさが格段に増していく気がしてなりません。ましてや、使用するギターがかなり小さく瓢箪か砂時計かというくらいの曲線を描いていて、モリモトさんが持つとまるで女性を抱いているように見えてしまうのです(別に変な意味ではないのです。本当にそう見えてしまうから不思議)。それでいて歌声のブルージーさとギタープレイの巧さを持ち合わせており、これまで拝見したアーティストの中で最もセクシーなミュージシャンだと思ってなりません。
そのモリモトさんのライヴ、いつもは暗め/ブルースタイプの曲が多い中で、1曲目に披露した「自転車」を聴いて驚き。これまで聴いたことのあまりない明るめの、ギターのキャッチーさが突出した曲。なのにモリモトさんの味わいを失っていないのだからこの新たな(?)試みは十分アリといえるでしょう(イントロがJohn Mayer風味で聴いた瞬間に持っていかれそう)。
その後は「暑い夜」「無題」等の代表曲へ。彼独特のブルージーな声が時に熱く、時に深く、しかし全ての瞬間で寂しさや孤独や憂い等の思いをより深めてくれています。CMソングで馴染み深い「ハッシュ」というカバー曲(オリジナルがどのアーティストか分かりませんが、日産のCMで使われていた記憶があります)での熱いロックっぷりも格好よく、続く「石ころの歌」まで一気に突き抜けて行きました。ロック/ブルースでのすがすがしさも実に見事。
最後は「歩き慣れた道」をひとり弾き語りで。モリモトさんの歌世界の拡がりを強く実感出来ました。


最後は竹内真さん。前回から約2週間ぶりの拝見となり、そんなにブランクはないのですが、ちょっと今回はいつもと違うように感じたのです。いつも立ちのスタイルなのが座りでの歌披露になったから、というのも確かにあるのですが。
今回撮影した写真を振り返ってその思いを強くしたのですが、今回は叫びのような表情が多かったとのです。何か新鮮な感じでした。いや、「ハナビラ」のような激しい曲ではその表情が多いのですが、なんか今回はいつも以上にその瞬間が多かった気がするのです。ライヴを観ながらその表情を吸い込まれるかのように無意識で撮っていったんじゃないか、と後になって思っています。
曲自体は穏やかな「afternoon tea」や「何気ない夕方の物語」、別れの歌でも「goodbye my friend」といった淡々とした感じの曲、さらに滅多に披露しない(と思しき)「愛する人へ」(緊張からか違った局の歌詞をメロディに当てはめて歌っていた)、「パートナー」と、叫びもしくは感情爆発系統の曲はほとんどなかったのにも関わらず、叫んでいるかのような表情が多かったのは、前のモリモトさんの熱さが移ったこともあるでしょうが、もしかしたら歌い方が変わっていく過程だったのかもしれません。意識下で、でも無意識に歌の表情を創り出していっているのかも。
(表現が下手で、上手く伝えられず申し訳ないです。)
無論、ハコのスタッフと仲良く、終始リラックス出来ていることが新たな表情を生み出す原動力なのかもしれませんね。「ハナビラ」で歌詞の紙が落ち、曲を上手く中断して(それもさりげなく)拾い上げるというハプニングもありつつ、それでも穏やかさを伴った世界は安定していて、浸ることが出来ました。


こうしてライヴは終了。爽やかさと十二分の満足感に浸れた夜でした。
次回のスリーマンが実に楽しみです。