facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

6/12『下丸子なま歌たまご』@下丸子UNISON

川端深雪さん主催、『下丸子なま歌たまご』に行って来ました。これが物凄い!放熱しまくりの熱い一夜となりました。下丸子の街で一番騒がしかったんじゃないか?
今回は飛び入り大歓迎!とあって、前回の『なま歌』参加の風来直さんといしはらかっぱさん(from お気楽)が前日の松本ライヴから直で駆けつけたほど。しかも更なるハプニングにも恵まれ、この日のライヴの楽しさは筆舌に尽くしがたきもの。

では、興奮を抑えつつこの日のライヴアクトを振り返ってみましょう。


シュップ(リンク先はGuitarの彩さんのサイトです)
VocalのカエさんとGuitarの彩さんによるユニット。ユニット初ライヴという記念日を下丸子で飾りました。
同じ学校が縁でユニットを組み、前回の『なま歌』でふたり、観客として来場。その打上げの席でユニットを組んでることを話すと川端さんらみんなに"ライヴやろうよ!"と言われ、ついに初ライヴと相成りました。
これが、本当に初?と思ってしまうくらい堂の入り様! カヴァー3曲、カエさんのオリジナル1曲という構成ながら、カヴァーは(特に1曲目の「Over The Rainbow」なんて、数え切れぬほどのカヴァーがあるはず)まるで自分のオリジナルかのよう。メロディに遊び心あるアレンジを施し、自身の色に変えて旋律の中を泳いでいく…初めて聴いたかのような鮮やかな驚きを与えてくれるのです。彩さんのギターも、(彼女が2月に新代田で行ったソロの時より遥かに巧くなり)ヴォーカルを引っ張りながらも邪魔になることなくしっかりと歩んで、奏でていくのです。かなり安心して聴き、夢心地の世界へ誘われました。ちなみに「Over〜」の前後にカエさんが奏でた楽器の、まるで星が降るような音色がまたも印象的で、彼女らしい音色だな、と浸っていきました(楽器名は失念してしまいました)。
オリジナルの「ユーララ」も実にしっかりと、そして彩さんが敬愛するアーティスト、猫楽団の「月のダンス」でのかえさんのヴォーカルの感情の穏やかさ/激しさの強弱を表現する力といったら!彩さんの感情を前面に押し出したギター(この日一番大きい音では?)に決して負けない迫力のある声! ビブラートの巧さ等、ゴスペルをやっている自分も勉強になること数多。彩さんのリードもかなりいい感じで、実に気持ちいいライヴとなりました。
ちなみにMCでは彩さんは話さないことに徹する代わりに、MCを盛り立てる?ように「パイプライン」を披露。そして「あの日のアイロニー」まで…ここにも後藤冬樹さんを愛する方が! そのフレーズが聴こえた瞬間に笑顔になってしまった自分、彩さんと眼が合い思わず微笑んでしまいました。


②乙井康子(Girls Meeting Official HP内、紹介ページはコチラ)
ピアノ弾き語りから始まったライヴ。最初の曲「あの頃」の、タイトルそのままに味わえるノスタルジックな感覚から、個人的にツボでした。ピアノの旋律がおおはた雄一「おだやかな暮らし」のような感じで、そこに尾崎亜美「Walking in the rain」に似た感覚の刹那過ぎるメロディが乗り、不思議な感覚を持った曲になっていました。なんとも形容しがたい感覚。彼女独特のちょっと不思議めいた声が更にその感覚を強くさせるのかもしれません。
弾き語りの時、特にイントロではなかなか拍子がうまく取り難い感じがしたのですが(それもまた彼女らしい味わいなのかもしれません)、ギターの方がサポートで加わり、彼女がヴォーカルに専念してからはまた見事。カヴァー「Summertime」は原曲の刺すようなヴォーカリゼーションと全く異なる可愛らしさながら説得力があり、最後の「雫」の醸す味わい深さもまた格別。最後の2曲はジャジーな感覚の曲でしたが、彼女の不思議めいた声が、(特別力強いわけではないのに)不思議と違和感なくジャズの感覚に溶け込み、深い謎めいた味わいになってたのが面白かったですね。


風来直(飛び入り)
前述のように、前日の松本ライヴをこなし、まっすぐ乗り込んできた風来さんのバイタリティったら! 9日の主催ライヴから4日で3回という強行軍を越えながら、その変わらぬ力強さと優しさを持ったステージは実に優しく気持ちよかったですね。今年出来上がった「傘はささないことにしたんだ」は早くもクラシックの予感大、です。かえるの印象がめっきり強くなった風来さん(松本ライヴも"かえる祭り"のイヴェントの一環でしたね。こりゃアーティストネームを風来"かえる"直っていうふうにミドルネーム化していいのでは?)、もう1曲もかえる→雨のイメージにちなんだ?「雨の向こうに」でしっとりと締めてくれました。


mico
実はこの日、とんでもないサプライズ=飛び入りゲストがあったのです(風来さん・いしはらとしひろさんの出演は前回の『なま歌』で伺ってました)。なんと高円寺からキド兄弟の城戸兄(たかさん)が乱入! 本人曰く"ホムぺに飛び入りOKって書いてあったしね〜"って、なんと気さくな乱入なんでしょう。いやあ、ビックリしました。と思ったら早速飛び入り、まずはmicoさんのサポートで全曲に絡むという離れ業を始めるじゃありませんか。しかもmicoさんの曲を聴くのはこの場が初、という(!) かなり凄いセッションの始まりです。
さすがにmicoさんは(ソロになってから)こういったサポート付きを経験したことがないからか、たかさんのギターに合図する余裕まで生まれなかったのかもしれませんが、隣に全幅の信頼を寄せることの出来る方がいるという安心感が作用して、前回のライヴよりかなり自信を持って臨めてましたね。声の真っ直ぐさ(座りだったことも影響してるのかも)、ギターのスムースさ共に非常に良かった。新曲で披露した「花火」(実はキド兄弟にも同名曲があって、それをたかさんが話したら…なんか知らないような感じのリアクション?)、そして「ルリィ」も良く(特に後者でのキャッチー極まったサビのメロディがいいですね)、満足のステージでした。ライヴの充実感を感じさせる笑顔がまた格別でした。


いしはらとしひろ(飛び入り)
いしはらさんのバンド、お気楽が主催するイヴェント、『極楽音楽』以来の観賞、しかもいしはらさんのソロはもしやはじめてかもしれません。
いやあ、やられました。男も惚れる(誤解されかねませんねこの表現だと。でも、本当に格好良すぎです!)くらいの格好いいダンディソウル。ブルースとかボサノヴァとかいろんな要素を散りばめて自分の世界を紡いでいる、孤高の戦士みたいな風格がただよってました。
かと思えば歌詞の内容がかなりR18な感じでもあり(笑 そのギャップもまた楽しい!)、その遊び心も実に"らしさ"だったりするんですよね。物凄く格好よく、一気に引き込まれていきました。そのギャップも楽しい(そして曲への橋渡しとなるMCもいとおかし)「はちみつレモンホット」が非常にツボでしたね。


城戸兄(たかさん) from キド兄弟(飛び入り)
前述のいしはらさんのブルージーなパワーにほだされ、握手を交わしてたのが印象的だったたかさん。そのまま飛び入りで自作曲「僕の心に咲いた一輪の花」を披露。この真っ直ぐなラヴソングをより真っ直ぐに届けてくれたたかさん。多少の照れがあったのか、3番の歌詞を思い出せず観客から念をもらって思い出す(?)というハプニングもあったものの、情のままに熱く奏で歌い上げるたかさんの姿に男気を感じずにはいられませんでした。それにしてもいしはらさん〜たかさん、本当に濃い!まさに男の美学です。


川端深雪
さあ、怒涛の川端深雪ワールド開演! しかも今回は演奏したてで眼鏡曇りまくりのたかさんが休憩間もなく参戦!実に熱い、いや熱すぎる世界で盛り上がりまくりでした。これが初顔合わせ?(過去に2度ほど対バンしたことはあるがセッションは初めて)というくらい息の合ったステージで、楽しさが演奏から、ふたりの笑顔からあふれ出てました。曲の終わりもピッタリ、ばっちりで、終わって川端さんの一言。"micoちゃん、こうやって(曲)終わるんだよ〜"ってのには思わず笑みがこぼれました。
今回のツボは全曲(最後に披露した代表曲「太陽の笑顔」も素晴らしい! マイクなしで全身で歌い上げる姿は惚れ惚れします)、ですが個人的にはしっとりとした中盤の2曲(「真夜中の雨」〜「ひまわり」)が特に心に響いてきました。川端さんは曲への姿勢、情熱がとりわけ真っ直ぐな方で、だからこそ(アップテンポな曲もそうですが)バラードでの説得力があるのかな、と思うのです。名唱といっていいでしょう。
そしてラスト、「太陽の笑顔」での弾けんばかりの笑顔! 負けじとたかさんが観客席へ行ってかき鳴らす!(コードが張るギリギリのところまで!!) これが本当に初セッション?ってくらい息合いまくり、スペシャルなステージとなりました。観てるこちらも心から笑顔になれました。


実はこの『なま歌たまご』、最初のステージは観客ゼロだった(アーティストの川端さんとmicoさんのみ)そうです。しかしながら徐々に盛り上がりを見せ特別なサプライズまで! 飛び入りも歓迎とのことなので是非腕を披露、というよりも一緒に歌の楽しさに触れ、笑顔になりませんか? 本当に楽しくて病み付きになりそうなイヴェントでした。皆さんに賛辞を!