facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

評論家は"評論してはいけない?"

一年以上前になりますが、ここでCCCDへの反対姿勢を見せる評論家、萩原健太氏への"レコード会社の制裁"を記載した高橋健太郎氏のブログを取り上げ、自分なりの考えを記載してみました

評論家は「媚を売る商売」ではありません。いつからそうなってしまったのだろう、と昨今のCDレヴューに疑問を想うことがよくあるのです。そんな媚売りのレヴューは、ネットで情報を(決して、音源を、ではない)共有している現在には通じなくなってきつつある、と考えています。

それに評論は公平な立場、一リスナーの立場から冷静な視野で見渡すことが大切なのであり、きちんと「批評」していくのが大切であって、たとえそのCDが良い作品といえないとしても、「評論」は行っても「非難」を行うものではありません。まして媚を売るのはもってのほか。その考え・信念をきちんと持ち合わせている評論家が、上記のような制裁を加えられる社会は、絶対に「言論の自由」が与えられた社会とは言えません。

このように記載してみました。


あれから一年が経過しましたが、残念ながら現状は悪いまま、全く変わってない模様です。

アメリカ在住の映画評論家・コラムニスト、町山智浩氏のBlogにて、町山氏が記載した映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の評論に対する映画会社からの添削内容が、その原稿そのままにアップされています。驚くべき内容と言っていいでしょう。
まず何よりも、配給会社が添削しているという事実。いや、添削というより(Blogにも記載されてますが)完全なる検閲ですね。

 人が映画を見てどう感じたか、その「感じ方」まで統制する権利があるのかね。

 「後味が悪い」のは事実じゃん。そういう話なんだから。

 それに「政治的な部分はカット」って何?

 なぜ政治的なことを書いてはいけないのか説明して欲しい。

 この映画は民主制共和国が軍事独裁の帝国に移行する話であって政治そのものがもうひとつのテーマなんだが。それに歴史上の独裁政権との関係についてはルーカス自身もインタビューで言ってることなので、これをカットしろというのは日本の配給会社の勝手な判断に違いない。

(ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 2005/6/11付『オレの書いた「スターウォーズ」評を配給会社が検閲!』より一部抜粋させて頂きました)
感じ方まで統制…まるで人の感覚を殺してまでもその配給会社に媚を売らないと評論はさせてくれないのか、という憤りを感じずにはいられません。"今後のおつきあいも…"と言って、逆らうなら今後の取引はしないことをちらつかせるのはまさに脅迫ではないでしょうか。逆に言えば、雑誌に掲載されている評論の中には(無論全てではない、と思いますが)媚売りの評論(ではなく、ベタ褒め)も多く存在するわけです。こういった会社に逆らわないシステムの中で、大きくいえば業界自身が発展するとはとても思えません。


映画業界のみならず音楽業界等、それぞれの業界が抱える膿を取らなければならないのは自明でしょう。