facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

3/19 『ココ☆ロック vol.6』レポート

ひさしぶりすぎのレポートになります。これからどんどん書いていくので、期待し…いや、温かく見守ってください。



恒例行事となったART君主催『ココ☆ロック』。今回の6回目はこれまででも屈指の内容と言えるでしょう。誰が決めたわけでもないのに、今回は"癒し"というテーマが根底にあり、やわらかな空気がライヴ会場をやさしく、穏やかに包み込んでいるかのようでした。まさに"ゆったリラックス"(byいぶき)の世界。
そいえば今回はMCを立てずに進行(前回は磯野一家の皆さん、そしてその前は僭越ながら自分が担当していました)したのですが、それが逆にメリハリを付けず穏やかな入口を誘い出したのでしょう。一番手のDaisy Chainの導入部も極々自然でしたし。司会を入れる入れない、という是非を問題にするのではなく、こういう"MCレス"のスタイルもいいな、と終わってから気付いた次第です。


そのDaisy Chain。病み上がりのGt.なおさん(確実に今年に入ってから"満身創痍"な気がします。大丈夫ですか?)が、風邪であるにも関わらず高い集中力を維持してスムースな演奏を続け、それに答え、呼吸を合わせる形でVo.のよしいさんが澄み切った声を奏で出す…これまで観た中で個人的に一番だと確信しました。驚いたのは唯一のカヴァー「なごり雪」(オリジナルはイルカさん)を確実に自分の呼吸で歌いきり、モノにしていた、ということ。HP見ると他にも「オリビアを聴きながら」や「楓」(スピッツがオリジナル。松任谷由実のカヴァーも味があって良かった)とあって、次の機会に聴いてみたいと思ってます。自作曲「空気の底」の歌力には圧倒されました。ヴォーカルの滑らかさが増し、何か巧く言えないものの、母性が宿り、それに包まれてる感覚。「PIECE OF MY WISH」のような温もりに溢れた音がそこにはありました。


二番手はいぶき。いつもよりやす君の笑顔が多いなぁ(緊張の裏返し?)と思ってたら、何とやす君の地元の十和田より友人3人がライヴを観に来てました。夜行バス(懐かしい!あ、たまに使います)で往復して、ライヴを満喫するという姿勢は凄い。本当に厚い友情だなぁ、と観ててこっちまで笑顔になるくらい。
新曲の「サン」はこれまでになかった恋愛を主軸にしたテーマの曲。なんかいい意味で書く方向性が変わったのかな?と。サビへ移行する時の転調と移行後のメロディのキャッチーさが特に際立った曲で、曲の幅の広がりを見せてくれました。また、ライヴのテンションをより高める工夫もされていて、「ひよこ」〜「かぜ」の流れや「コブシ」のイントロでのギター低音のみの導入部(低音のみだからこそ高音部に差し掛かったときの高揚感がより高まる)は聴く側のテンションをもいつも以上に高めさせ、あっという間の5曲のステージとなりました。


三番手は古賀久士さん。いきなりBilly Joel「Just The Way You Are (素顔のままで)」を持ってくるとは! 彼の声域にマッチした曲で、イントロダクションには最適、一気に心をつかまれた感じです。声の調子がイマイチだったのか、彼が敬愛する(はず?)のMariah Careyを意識したフェイクの仕方に、多少スムースさに欠けてたきらいもあったものの、聴かせどころの盛り上げ方、メロディの構築がかなり良かったですね。後はオリジナル曲をもっと聴いてみたい、そう思います。それにしても、古賀さんの弾くピアノって、とりわけ流麗に聴こえるのですが、気のせいでしょうか。


四番手に登場は竹内真さん。三連休初日の行楽&彼岸渋滞に巻き込まれ入り時間に入れずにリハなしの一発勝負となってしまいました。そのためかところどころの歌詞を失念…しかし今回はその荒さを逆手に取り、「流れ星」でいつも以上に恋の痛手をストレートに歌い上げ、違った味わいを醸していました。しかも前の曲が、先日自分がリクエストした「ハナビラ」(この曲の歌い方は個人的に大好きです。感情が最もむき出しに近い感じがする)だったことも影響したのか、「ハナビラ」〜「流れ星」の"失恋ソング2連発"が苦しすぎるくらいに心に突き刺さってきました。
新曲の「ココア」もほろ苦い恋の歌。やわらかな歌い方&弾き方だからこそ沁みてくる苦味…一曲一曲に多様な表情を持っている真さんの曲作りのセンスには脱帽です。

ちなみに、真さんがトリビアとして披露したココ☆ロックの横断幕の話(写真参照してください。ステージに貼られてるでっかい幕です)。あの横断幕をベランダで書いて(で、幕の下に何も敷いてなかったので床に文字の跡が写っちゃって親に怒られたという)、一所懸命作ったというのに、一度ココ☆ロックの後に持ち帰るのを忘れてしまって、結局渋谷に近い自分が次のココ☆ロックの時まで保管していたというのはココだけの話。


最後、トリは勿論ART君 with 古賀久士さん。風邪だとは聞いてたけど、そんな素振りは一切見せなかったですね。高い集中力を維持し、ピアノとの整合感も実に高かった感じがします(逆にピアノとの相性が良すぎて、ギターを弾かなくなってるのは勿体無い気もしますが)。
「ブルーレイン」でのサビのリフレインでの微妙な表情の違い、「ask.」のサビの"嘘つき"のフレーズの力強さ(これまでになく地に足の着いた、説得力のあるフレーズになっていました。このフレーズが曲の肝だと思うので今回はいつも以上に満足)、「パッセージ」に至っては曲を通しての集中力の高さ、それぞれに圧倒され、個人的にはこれまでで最もいいライヴだったと感じています。ライヴ本数をセーブしているとはいえ、このまま主催ライヴだけにとどまるのはなんだか勿体無いくらいですね。


最後はいつものようにオリジナルプレゼントの抽選会を行い終了。今回はオリジナルのバンダナを用意。知り合いのイラストレーターの描く悪魔キャラより圧倒的にART君自身が描いた天使キャラが人気で、改めて彼の絵心の才を感じた次第。抽選会も終始和やかに進み、今回のイベントは終始穏やかな笑顔に包まれたあったかいイベントとなりました。ART君に感謝です。