facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

読売新聞朝刊に掲載されたRIAJの意見広告 その意図は

OTO-NETA「読売新聞朝刊に掲載されたRIAJの意見広告」ふっかつ!れしのお探しモノげっき「イギリスのBBCアーカイブとRIAJ意見広告」より。以下にその掲載内容を上記サイトより転載、抜粋します。

音楽ファンのみなさまへ 「音楽レコードの還流防止処置」について

1.改正著作権法は、誤解されています。
日本の音楽文化の海外への普及を可能にする著作権法改正法が国会で成立しました。この改正法は、消費者への利益確保しつつ音楽文化の振興を図るものであり、衆参両議院が全会一致により成立しました。にもかかわらず、改正法の趣旨が十分理解されず、洋楽CDの輸入盤を止める法律ではないかとの誤解も生じていることを、私達が大変前年に思っています。

2.邦楽CDに限定されていないのは条約上の要請です。
私たちは、邦楽CDの日本への還流防止措置が必要と要望してまいりました。改正法が還流防止措置の対象を邦楽CDに限定しないのは、条約上の要請から日本と外国を平等に扱う必要があったからです。しかし改正法は、日本と比較して権利者の得る収入が著しく差のあるCDに対象を限定しているため、基本的に欧米からの輸入CDには対象になりません。

3.附帯決議を重く受け止めます。
衆参両議院の附帯決議では、欧米からの洋楽CDの輸入が阻害されるときは、還流防止措置の見直しが必要とされています。私たちは、附帯決議を立法府の意思として強く受け止め、公正取引委員会日本経団連が求める「消費者利益」を最大限尊重し、万一欧米からの洋楽CDが阻害される場合には、還流予防措置の廃止をやむを得ないと考えています。

4.欧米からの洋楽CDの輸入盤は止まりません。
5メジャーズといわれる世界の大手レコード会社も、欧米で製造・販売しているCDの日本への輸入を禁止しないことを表明しています。また、アメリカレコード協会も、その会員社(約1000社)が同じ考えであるとのことを認識していますので、どうか安心してください。

・結びの言葉
私たちは、「音楽レコードの還流予防措置」の導入によって、世界の国々との音楽を通じた文化交流を促進し、全国の音楽ファンのみなさまに国内外の幅広いジャンルの音楽を楽しんでいただけるよう、努めてまいりますのでご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

そもそも

1.改正著作権法は、誤解されています。

冒頭でこのように述べてしまう−つまり法案に反対する消費者や音楽関係者の意見を「誤解」と言い切る−のは、極めて遺憾ですし、無神経も甚だしいです。
上記4項目、それぞれへの意見を、OTO-NETA「読売新聞朝刊に掲載されたRIAJの意見広告」で管理人のCABさんが的確に示しています。
この意見広告についての真意は定かではありません。どのような大きさ、新聞の何面に掲載されたのかを知らないのでこの記事がどれだけの拡がりを見せるかもわかりませんが、個人的には、これ以上拡がり行く法案改正による輸入CD規制の懸念をかき消すというよりは、まだその法案を知らない多くの方々へのミスディレクションかと思うのですが。これまでの日本レコード協会のコメントに一つとして納得のいく消費者想いのものがひとつとしてない、と断言して差し支えないでしょう。