■
最新のRadio&RecordsChart(4/30付)
(アメリカでのラジオ局のエアプレイチャート。全米のエアプレイチャートの集計です。
アメリカでは現在でもラジオの影響力が極めて高く、Billboardが99年度からエアプレイのみのシングルもシングルチャートに登場させています。なのでMatchbox20の"Push"やAaliyahの"Are You That Somebody?"はエアプレイ年間チャートに入っていてもBillboardのシングルチャートには入っていません)
前置きが長くなりました。
(○は赤丸)
- Usher feat. Ludacris & Lil' Jon/Yeah
- ○Maroon 5/This Love
- ○D12 feat. Eminem/My Band
- Britney Spears/Toxic
- ○Hoobastank/The Reason
- Evanescence/My Immortal
- ○Beyonce/Naughty Girl
- ○J-Kwon/Tipsy
- Jessica Simpson/With You
- ○Mario Winans feat. Enya & P. Diddy/I Don't Wanna Know
- ○Jessica Simpson/Take My Breath Away
- Chingy/One Call Away
- ○Usher/Burn
- Cassidy feat. R. Kelly/Hotel
- ○Black Eyed Peas/Hey Mama
- ○Avril Lavigne/Don't Tell Me
- OutKast/The Way You Move
- Linkin Park/Numb
- Nickelback/Someday
- ○Kimberley Locke/8th World Wonder
ランクとしては4ランク上昇、Billboardでも2位のMario Winansが上がり幅最大です。先週のBillboardで書きましたが、Usherの"Burn"より早く1位になる可能性が高くなってきました。
しかし、今回はなんといってもD12ですね。5→3位。
正直なところ風刺やバッシングに長けたEminemの性格は得意ではないのですが、ビートを聴けば一発でEminem(それにDr.Dre)のソレと分かるおハコのもの。昨日ビラ撒いてたとこの真上にある大型ヴィジョンでD12がかかっていて、他のクリップに比べてのヴィジョンへの目線の数が比べ物にならないくらい凄い! やっぱラジオ主体のチャートだとキャッチーさで耳を奪うのに長けないといけないですからね。Eminemはそれをよく分かってる。
しかも、この曲のクレジットでD12 feat. Eminemとなっているようにこの曲は「敢えて」Eminemを強調するという凄技! 要はD12はイコールEminem主体のグループとして世間に扱われていて、実はEminemが売れる前からいたグループなのにその事実が歪曲されている、という世間の見方を、敢えてそのイメージを強調することで世間を逆に風刺するという。彼自身のイジワルなキャラクター(以前はフセインまで"Without Me"でネタにしているほど。まあ、イジワルというかなんというか)を知ってて、巧く使っていますね。クリップも見事にそのキャラを演じ切っていて彼でなければ成立しない世界を展開。こうなったら日本でもTop10に入ったアルバムがアメリカでどれだけ売れるか、非常に楽しみです。
そして日本でも人気のAvril Lavigne。アメリカで巨大ショッピングセンターめぐりという、日本じゃまるで演歌か売れないアイドル歌手がやっていることを続けるという地道さ。それこそ日本の謙虚な姿勢がアメリカでどう受け止められているのでしょう。チャートを見れば順調に上昇しているようですね。
今週の注目曲
47→35 Mis-teeq/Scandalous
43→38 Christina Milian/Dip It Low
44→39 Sugababes/Hole In The Head
Mis-teeqとSugababesはUK産。Mis-teeqのは去年日本でヒット済(関係ないけどジャケのシンプルな綺麗さが、きらきらアフロのセットに飾られている理由? ちなみに他に飾られているのはLumidee)。
アメリカは自国産以外の音楽を取り入れようとなかなかしない国で(保守的ですかね)、柔軟な日本で受けてからその評判が広がるということもしばし。Maroon5もCraig DavidもOasisも。まあ、逆のパターンが全然多いのですが、こういう日本→アメリカのヒットの流れがあると日本人のセンス感覚の良さに惚れ惚れします。
そしてChristina Milianは1stアルバムがアメリカで未発売(シングル"Am To Pm"は日本でも大ヒット)だったので今回満を持してリリース。Ja Ruleにフィーチャーされて後のJa+ジェニロペのヒット公式の基盤を作ったのが2000年のことだから、4年の歳月を経てようやく、というところです。日本でこちらもヒット済。