Winny被害調査の"調査そのもの"に疑問を感じる
社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)、社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)はこのほど、ファイル交換ソフト「Winny」ネットワーク上で権利者に無許諾で送信可能な状態に置かれ、流通している音楽ファイル、コンピュータソフトウェア等についての実態調査を実施し、その金額を試算した場合、音楽ファイル4.4億円、コンピュータソフトウェア等95億円、合計で約100億円相当に達するという結果を得ました。
実態調査は、2006年10月10日の18時から24時までの6時間について実施し、その結果、少なくとも21万ユーザーのコンピュータなどでファイル交換ソフト「Winny」が利用されていること、また音楽では61万ファイル(1ファイル当たりのJASRAC管理楽曲を7曲とすれば、月額使用料換算で約4.4億円相当)、ビジネスソフトウェア約61万タイトル(平均価格換算で約19.5億円相当)、ゲームソフトウェア約117万タイトル(同約51.3億円相当)、アニメーション約18万タイトル(同約17.2億円相当)、コミック約159万タイトル(同約7.0億円相当)が流通していることを、それぞれ確認しました。
今回の調査結果をもとにACCSおよびJASRACは、財団法人日本データ通信協会Telecom-ISAC Japanの協力を得て、Winnyユーザーが加入しているプロバイダを通じ、電子メールやホームページなどを利用してWinnyユーザーに対する注意喚起活動を行うことを決めています。
ファイル交換ソフトを利用して、権利者に無許諾で他人に対して著作物を送信したり、送信できるようにすることは、著作権法に定められた複製権および公衆送信権(送信可能化権を含む)を侵害する行為です。ACCSおよびJASRACでは、今後もファイル交換ソフトにおける著作権侵害についての監視を継続して実施していくとともに、プロバイダ等との協力態勢のもと、削除要請を検討するなど、実効性のある著作権侵害対策活動を行ってまいります。
(以上、抜粋)
調査方法等、技術的な面に関しては分かりかねるため言及は避けます(Winnyについての是非も言及を避けさせていただきます)が、著作権を声高に訴えるJASRAC等が『実態調査は、2006年10月10日の18時から24時までの6時間』という微々たる時間のみで今回の調査報告に至る、その行為に疑問を抱きます。ネット時代とJASRACの意識にあまりに大きな認識の差があるように思えてなりません。