facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

iPod税への誤った見解

敢えて言わせていただければ、三田誠広氏は文化庁著作権分科会に出席する必要などありません。

若旦那の独り言2005 Ver.3『あまりにも酷いiPod税への見識』経由。以下、『試される。』より一部抜粋。

http://www.asahi-net.or.jp/~DP9M-MT/seishun1.htm
「『青春小説』創作ノート1」
三田誠広のHOMEPAGE)
▲ 9月8日付の日記から。

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文化庁著作権分科会。(中略)本日のテーマはiPodなので、どうでもいいという気持ちもあった。ほんとうは、どうでもいいことではない。MDやダットには私的録音補償金が課金されているのに、同じ使い方がされているiPodには課金されないというのは不公平だ。確かにiPodには音楽データだけでなく、いろいろなものを入れることができるのだが、音楽利用者が大量に存在することによって、iPodや同種の記憶装置が大量生産され、そのため安価になっているのだから、音楽データを入れない人も恩恵を得ている。そういうことを考えずに、とにかく金を払うのはいやだという利用者が存在するのは、エゴイズムとしかいいようがない。

(中略)
私的録音補償金(私的録画補償金も)は、私権を制限することに対する補償であり、その課せられる対象は複製権の及ばぬ私的複製である。そもそも私的複製ではない行為には課せられず、「音楽データを入れない人」から徴収する訳にいかないものなのだ。だからこそ現行制度は返還も視野に入れて設計されている(死文化してるが)。同じ理由で汎用機器・汎用記録媒体への課金も難しい。
 「確かにiPodには音楽データだけでなく、いろいろなものを入れることができるのだが、音楽利用者が大量に存在することによって、iPodや同種の記憶装置が大量生産され、そのため安価になっているのだから、音楽データを入れない人も恩恵を得ている」──などといった、議論の前提をわきまえないような暴論を(自身のウェブサイトの上とは言え)吐ける人間が著作権分科会の委員の中にいることが信じられない。実に恥ずべき発言だ。

つまりは、私的録音補償金の内容を全く知らないわけです。果ては、私的録音補償金に意義を唱える者(三田氏は"金を払うのはいやだという利用者"と言っているが)を"エゴイズム"(=利己主義)と決め付けているわけです。制度の理解に乏しい人間が、自分本位の立場に立って("どうでもいい"と書ける神経自体が自分本位という考えの証拠、そのものでしょう)しか話せないこと自体が最大のエゴイズムではないのですか。三田氏の発言こそ、恥であると考えます。

『試される。』の管理人、暇人#9さんの言葉に共感し、最後に引用させていただきます。

著作権に関する言論では、作家というのは自然と発言力を得るものではあるが、このような貧しい“論理”をふりかざす輩が発言力を持ち続けることに私は危惧を抱かざるを得ない。

このような貧しい論理の持ち主の存在で日本の著作権が誤った方向に向かうのは、とても許されるものではありません。ですので、我々が正しい見解をもってパブリックコメントを提出することが、より必要になるのは間違いないでしょう。