facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

8/28『シブキ2005夏・全国ツアーファイナルライヴ』@西荻窪w.jaz

下記で掲載した26日ライヴに続き、28日も西荻窪w.jazにてライヴを堪能してきました。8/7〜12の全国路上ライヴツアー(&福井HALL BEでの公演)を駆け抜けた竹内真&いぶきのツアーファイナルです。


ツアーファイナル公演で、気合で乗り越えた二組。幾多の経験を積んで臨んだ今回のライヴにて、確実に成長した姿を魅せてくれました。



一番手はいぶき。最近では最後に披露することの多かった盛り上がり必至のアップ「コブシ」、そしてミディアム〜アップの「衝動」へと続く曲攻勢で、掴みはバッチリ。この段階で観客の集中力が俄然高まり、いぶきと観客が一体化していましたね。
その後は大樹君が座り、最近のナンバー「ナガレ」「サン」へ。「ナガレ」では、哀愁とも悲しみとも希望とも取れるような感情の表現力が増し、二人のコーラスに漂うゆったリラックス(いぶきのコンセプト)感が溢れて来ます。歌う度にどんどん歌の世界の広がりや深みを強めていくふたりの姿がそこにありました。
そして圧巻だったのは「ひよこ」でした。ライヴでこれまで何度も歌われてきたこの曲ですが、大樹君の出だしのフレーズの一音を聴いただけで、その言葉に重なり溢れてくる力 −説得力とか前向きな力とか、(男性だが)まるで母性のような優しさを湛えている、など沢山の要素。とても一言で表せないくらい深い、心から発せられる力− の重みがこれまでと比較にならないくらい強いと実感しました。無論、やす君も同様に深く、優しく…全てにおいて一回りも二回りもその力を増しているのです。神がかっていた、なんて言ったら大袈裟かもしれませんが、誰も真似できないくらいの高みにまでこの曲を昇華しているのだと言い切っていいでしょう。
この後の竹内真さんが、いぶきと出逢ったときに"アコースティックデュオといえばゆずのイメージ"と当初思っていた、と確かMCで話していた気がします。ゆずは現在も第一線で活躍するアーティストで、世間的にもそのイメージが浸透しているでしょうが、いぶきの持つゆったリラックス感はどのアコースティックデュオをも凌駕する! と断言します。それくらいに素晴らしいライヴでした。



そのいぶきをステージ横から見守っていた竹内真さんが二番手で登場。22日のライヴ(写真はコチラ)を拝見して以来なのでそう日は経っていないものの、前回(緊張したのか思い切り良く歌えなかったようです)のフラストレーションを一掃するくらい、遥かに心揺さぶる、力あるライヴを披露してくれました。
今回は悲しい曲が少なめ(わかれうたの「流れ星」や「薬箱」等は披露せず。代わり?に新曲「夜月の海」を披露。「流れ星」を髣髴とさせるバラードで、哀愁感が切なく漂う佳曲です)ながら、個人的に最も良かったのは「ハナビラ」。真さんの曲の中で最も好きだから、ということも選出の理由ですが、これまで以上に絶望感を表現する力が高く、歌詞の意味を最大限に高めていたのです。
ツアーでの成果は表現力を高めることに成功し、ただでさえ1曲毎の振り幅が広い曲に(真さんのポップセンスは素晴らしく広いのです)、更なる幅広さと説得力を持たせていました。それは決して悲しい曲をより悲しくというだけではなく、穏やかな曲(例えば「何気ない夕方の物語」)では、愛しみが行間から溢れて来たりするのです。外にも中にも、時に激しく時にじんわりと放出される表現の広さはただただ素晴らしかったですね。
最後は真さんのCDの最後を飾る「ふつうのうた」を、この曲のレコーディングに参加したいぶきのふたりをコーラスに従えて披露。気持ちよく歌い心から楽しもうとする3人の姿に、音楽の楽しみを感じた次第。ツアー最後の充実感が溢れた曲となりました。


ツアーを経て確実に大きくなった二組。真さんは10/26にインディレーベルより全国でのリリースが決定、いぶきはw.jazでイベントを定期化と着実にステップアップしています。今後の更なる活躍に期待大です。