facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

8/26『Acoustic Influence vol.10』@西荻窪w.jaz

8/26、28日と立て続けに西荻窪のライヴバー"w.jaz"に行ってきました。2日間で4組の素晴らしいアーティストの共演。まずは26日の模様を。


この日のライヴは、店側主催の(?)イベントでしたが、各アーティスト50分近くという長時間(通常ブッキングやアーティスト主催ライヴでも1組30分が相場)で、じっくり堪能するにちょうどよく、またその時間の長さからも実質ツーマンと呼んで差し支えない贅沢さでした。


その一組目、和田周太さん。ギターはキド兄弟のキド兄こと城戸崇光さん。

なにやらこの日は崇光さん(通称たかさん)がライヴに間に合わずに周太君ひとりで行う予定だったらしく、想定しなかったたかさんの登場に驚きつつも喜んでいた周太君の笑顔が印象的でした。
ライヴは、既に何度もセッションしていることもあって二人の呼吸もバッチリ、しかも前回のバースデー記念ライヴで周太君に誕生日の祝福をビデオレターで伝えてくれた後藤冬樹さんが対バンとあっていつも以上に気合十分な姿を見せてくれました。
とりわけ今回素晴らしかったのは声に加わった深み。いつもに増してブルージーな深い声色(特に低音域の声の響きはこれまでに聴いた事ないくらい)を奏で、曲の妖艶さや男らしさをより高めていました。また、深みと共に突出していたのが、曲の説得力。911の事件にインスパイアされた「Future World」にて、絶望感や焦燥といった曲に込められた想いがずっしりと伝わってきて、歌詞の光景が、リアルに、立体的になって眼前に広がるかのよう。嘆き・叫び・悲しみ…周太君の声の持つ力に圧倒されました。個人的に、これまでの同曲の中で突出した出来ではなかったか、と思います。ただもう、素晴らしかったです。


その圧倒的なパフォーマンスの余韻に浸る間もなく、二組目、後藤冬樹さんが登場。

観客全員が知り合い(もしくは知り合いの方が連れてきた方)ということで、歌詞に観客の名前を盛り込んだり(時にはタイトルにまで。何ら噛むことなく歌詞をスラッと言えるところも凄い)、開演前に観客から聴きたい曲を募ったり、とサービス精神旺盛。冬樹さんが観客の皆さんに存分に楽しんでもらおうとする"愛情"が素晴らしいのです。
(ちなみに、自分の名前は盛り込まれず、自分の某キャラばかりが取り上げられ、更に曲のタイトルまで…誤解を招きそうなので敢えてタイトルは書きませんが(笑))
圧巻なのは、犬をテーマにしたファンシーな「My name is ポチ」での"ポチ"の箇所を観客/スタッフ/ライヴアクト全員の名前に入れ替えて披露したところ。15分以上はあったのにそれを感じさせない楽しさ! 観客とのキャッチボールここに極まれり、といった感じです。

新曲や最近の定番ナンバー主体のステージの中でも驚いたのは、バグダッド・カフェのテーマ「Calling You」(自分はHolly Cole Trioのテイクでしか聴いた事がないのですが…)をイントロに据えた「エンドロール」。取り残された主人公の嘆きが「Calling You」と激しくリンクし、より痛み溢れて伝わってきました。
さらには大ラスの「ジョンと僕」。実は前述のリクエストを募る際に、本当はリクエストしたかった曲だったのです。一緒に観賞したるーさん(今度9/18に彼女主催のイベントを開催します。詳しくは後日掲載)にリクエストを任せたのですが、この曲だけはどうしても聴きたかったので言えなかった事を悔やんでたのですが…。お盆の時期(若干過ぎましたが。ちなみにオフィシャルサイトに歌詞が掲載されています)にリンクしたこの曲の披露に胸が熱くなりました。


最後は後藤冬樹・和田周太・城戸崇光3人による豪華セッション!

真夏の果実」での周太君のデフォルメしすぎた?物真似もなかなか面白かったですが、最後に披露した夏の曲が意外にもハマっていて驚きでした。披露したのはモーニング娘。の「サマーナイトタウン」。アイドル曲の選曲にはビックリですが、メロディの持つキャッチーさと適度なアーバン風味が実は凄く格好良いですね。そのアーバン風味がブルースを基調とする周太君に合致したのかもしれません。貴重なセッションを見られて大満足な宴でした。
(そういえば、初期のモーニング娘。はハーモニーだったりダンス☆マンアレンジのディスコソウルだったりと適度に塗したアーバン風味が実に心地良かったんだな、と思い出しました)


圧倒的なライヴの饗宴、本当にありがとうございました。
なお、冬樹さんは次回9/4の天窓オリンピックに登場します。是非応援してください。