facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

4/16『涼〜そよぎ〜 presents 「春宵」』@渋谷多作

涼〜そよぎ〜("そよぎ"で"涼〜そよぎ〜"に変換できるように、単語登録しました←MCで話題になってたので)のCDレコ発ライヴへ、渋谷多作に行って来ました。渋谷多作については、AirDesign企画『発破シリーズ』でお馴染みだったのですが4月から別場所で開催することもあり、今後伺う機会も減るのかな?と思ってたのですが、スタッフの方がなぜか、アーティストでもない一ファンの自分へ"いつも(ご来場)ありがとうございます"と言っていただけたのが非常に嬉しく、今後も通おうと心に決めたのでした。

そんな心暖まる会場、入口でちょうど涼〜そよぎ〜のふたりに遭遇。ちょっとお疲れの様子ののぼるさんに理由を伺ったところ、何かとんでもないトラブルに見舞われた模様。レコ発の緊張感よりもその疲労感でいっぱいの様子で大丈夫かな?と思いつつ。"今日出演するアーティストは凄い方ばかりですから"と言うことで、イジワルながら自分が"レコ発といいながらオープニングアクトとかじゃないっすよね?"と言ってみたら(ごめんなさい!)、"いやぁ、それも考えたんですよね(笑)"とは二人の弁。おいおいとツッコミつつも、のほほんとした雰囲気が楽しいおふたりです。ちなみに今回は進行役も涼〜そよぎ〜のふたりでした。紹介するときの"それでは○○さんです、どうぞ!"とかいう振りはなく、ジャンガジャンガのないアンガールズっぽくて、妙な脱力感が味わえました。それもまた楽し。

それでは順番に振り返ってみます。


松田弦太
初観賞。ファンクから社会派まで幅広い曲調を作り歌う弦太さん。涼〜そよぎ〜のゆうまさんの弟ということで驚き、様々な楽器をこなすことに驚き(このライヴではアコギ一本でした)、ソロを含め3つのアーティストを掛け持ち(Soul系のGREENHORN、ハードコア系CAT'S、そしてソロ)することに驚き…それでいて若干21歳。実に精力的です。初心忘れるべからずの心持ちで披露した初制作曲(詞を改めて読んでみたいですね。恋愛系の曲が特に似合いそうです)や、最後に披露したファンク系の曲に惹かれました。力強くなった時の声の熱の込め方や声そのものに凄く魅力を感じました(力を入れないときとの声のギャップが若干大きかったかな)。強弱がよりスムースになれば更に化けると思います。ユニットの音にも興味ありますね(Soul話に花咲かせたりとか)。


稲葉篤史
初観賞。漂う空気はのほほんとしてて涼〜そよぎ〜っぽいのですが(現に、涼〜そよぎ〜ライヴ前のMCの自然というか適度な適当さには笑っちゃいました。それもまた味ですね。新アイテム(?)のメガネも効果大?)、歌うと、のほほんとした空気と緊張感(極めて強い説得力)が表裏一体となって表れ、淡々としながらも極めて説得力のある歌声と自然なメロディにヤラれてしまいました。裏声になる瞬間も実にスムース、また淡々とした歌声だからこそ力強いフレーズになる時のコントラストが的確で、凄く彩りがある歌世界を構築しているのです。飄々としていながらその緻密な世界観に圧倒されました。バンド"23"として活動中で、バンドでの音世界にも興味津々です。ソロ活動のライヴ音源を戴いたのですが、この日の曲は一切入ってないというのが凄く面白いというか、稲葉さんらしいのかもしれません。


竹内真
水曜以来のインフルエンザ、連日39度以上の高熱に苛まれ、ライヴ中も肌の白さとは対照的に熱による顔の赤さが手に取るように分かり、少し痛々しかった感さえある真さん。1曲目の「afternoon tea」こそ本調子ではなかったように感じられたものの(この曲が涼〜そよぎ〜との接点になったということ。オープニングに据えた事に律儀さを感じました)、2曲目以降のライヴへの集中力は見事でした。敢えて(季節感を意識してのことですが)挑戦したアップ、「ハナビラ」のエンジンの入れ方が凄く、新曲「ココア」との曲調の転換(熱唱系→淡々と口ずさむような歌い方)にも喉がつぶれたり聞き取りづらくなることがなく、ヴォーカリストとしての実力の表れのように思いました。病気にも負けない安定感って立派です。曲後の咳がかなり苦しそうだったので、一刻も早く完治することを祈るばかりです。


涼〜そよぎ〜
前述のトラブルの原因が、
"今日のレコ発用に用意した100枚のCD-Rが全て音割れ、しかも判明したのが当日深夜だったため緊急で焼き直し、結果のぼるさんはなんと30時間一睡もしていない(!)"
と明かした涼〜そよぎ〜。何とか乗り越えてレコ発に間に合い、安堵感の表情がライヴ中にも漂っていました。ちなみに自分、ゆうまさんがきちんと寝る時間作ったということに、あぁゆうまさんらしいなと微笑ましくなってしまいました。CD、しっかりと購入させていただきました。のぼるさんのジャケットのイラストもシンプルでいて印象的なので是非手にとって見てください。
涼〜そよぎ〜をフルで観たのが実はまだ2度目なのですが、のぼるさんのソロ(昨年秋の山渓ツアー、及び昨年末の四谷天窓大忘年会で観賞)を含め、個人的には今回がベストのステージングじゃないかなと思います。出だしや歌詞間違いでやり直した曲もあり、それでベストというのも語弊があるかもしれませんが、彼等だとそれが許されるような、そんな自然な感じが涼〜そよぎ〜らしさなのかも、と思うのです。そして、その自然さの中にもゆうまさんの淡々としながらスムースで熱を帯びたギターフレーズと、のぼるさんの力強いヴォーカルのハーモニーが力強く合わさり、実に心地良かったのです。
のぼるさんの声が今回非常に力強く、彼独特の声の癖が良い方向に押し出され曲の説得力アップに繋がったように思います(CDに収録された「夜凪」のイントロでのフェードインの仕方は特に絶品!)。寝てない効果?(ナチュラルハイがもたらしたのかもしれないです) アンコールも湧き上がり、楽しい空間となりました。実にナチュラルな空気ながらその説得力に胸をつかまれるものがありました。


この日、大きな区切りとなった涼〜そよぎ〜。実は次回の構想も既に浮かんでいるということなので、更なるステップアップに期待です!お疲れ様&ありがとうございました。