『音楽レコードの還流防止措置期間は４年』政府が公式決定
自堕落な毎日より。
●10/31 追記
まず、自分の都合で暫く更新しておりませんでした。以降、徐々にですが頻度を増やしていく予定です。仕事の都合上、週末更新になることが多いと思います。ニュースの鮮度が多少落ちるかと思いますが、音楽問題に触れていこうと思いますので、今後ともよろしく御願いいたします。
上記ニュースに関する補足です。
以下、記事より抜粋。
輸入CDの還流防止措置について、政府は本日行われた閣議で輸入禁止期間を「4年」とする著作権法施行令の改正を決定した。この法令は改正された著作権法が施行される来年1月1日から適用される（2005年1月1日時点までに発売されているCDについては同日からの適用）。
改正著作権法では輸入禁止期間を最長7年と定めているが、実際の運用に関してはその期間を「政令で定める期間」としている。そのため、文化庁では具体的な期間についてパブリックコメントを募集していた。
文化庁ではパブリックコメント募集時から、音楽レコードの国内市場における「流通期間」と「相当の売り上げが期待される期間」を総合的に勘案した結果として、禁止期間を4年にしたいという意向を明らかにしており、結果的には文化庁の要望がそのまま法令に反映された形だ。
そして、文化庁より各マスコミに流れたFAX資料のコピーがコチラに掲載されています(音楽配信メモ 10/29付より)。
(パブリックコメントを募集しての結果が4年という結果になり、落胆はおろか怒りすら覚えますが、)まずはパブリックコメントの詳細を開示してもらうことが必要でしょう。文化庁からの公式見解では『②相当の売上げが期待される期間について』において、CDの売上の大部分が発売から1年半程度で売り上げていることをパブリックコメントで多く指摘されているとして、パブリックコメントを反映したことを述べていますが、平均値でも一番多い期間でもないのではないか、と思うのです。集計して期間を開示することが必要と思います。
そして、前述の『②相当の売上げが期待される期間について』で具体例として挙げられたアルバム例ですが、ここに挙げられた2作品(盤は不明)について、
①340万の売上、6年目も売上18万(1.8万か)有
②50万の売上、4・5年目の売上はそれぞれ数千枚だが6年目に6万枚
という例。これは明らかに稀有な例といっていいでしょう。
(以下は、音楽系自己満ＨＰ still growin' up！内、『歴代アルバム売上ランキング〜ミリオンセラー編〜』よりデータを活用させていただきました。)
①について。毎年リリースされる数万タイトルのアルバムの中で300万以上売り上げる作品はほぼありません。実際に2004年9月現在で、300万以上の売上を記録した作品は歴代で20作品のみ。その確率は1万分の1以下ではないでしょうか。また2002年6月リリースの宇多田ヒカル"DEEP RIVER"以降300万以上の作品は出ていませんし、200万枚を下限としてみても、上記"DEEP RIVER"以降のリリースで200万を超えた作品は宇多田ヒカルのベスト(2004/3)及びCHEMISTRYの2nd(2003/1)のみです。つまり例に挙げた340万のセールスについて、現在の状況において200万のセールスさえほとんど挙がっていない状況からしても現実味がなく、それを例示するのは如何なものかと思うのです。
ここからは想像の範囲ですが、恐らくレコード会社や日本レコード協会よりその数字で提示されたのかもしれません。還流盤が出なければ300万売れるものとしてアプローチされたのでしょうか。かなり現実味がない数値です。
②については、6年目でトータルセールスの10％以上が上がっているということですが、おそらくタイアップか何かでしょう。まずこの作品の正体を知る必要がありそうです。また、50万以上のセールス作品を全て紐解き、それぞれのセールスデータを確認の上、取り上げた作品の希少性を明らかにしないといけません。
いずれにせよ、①の段階で現実味のない数字を挙げたところで、記事にあるように、『「流通期間」と「相当の売り上げが期待される期間」を総合的に勘案した結果』と述べることは言語道断でしょう。
そして、パブリックコメントを募集したものの、4年という結果になったということは、初めから『7年』という結論があったことは十分考えられます。その理由を根本的に問いただしていかないといけないでしょう。パブリックコメントでしても動かせなかった、大本の『7年』の意味を問う為にも、文化庁に対し、何らかのアクションを取らないといけないと思います。
