facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

消費者を咎める前に国を司る人間の認識を改めよ

農林水産省共済組合が著者に無断で、介護に関する書籍を丸写しした「海賊版」を作ったとして、東京地裁(飯村敏明裁判長)は29日、著作権料と慰謝料計約8万8000円を著者に払うよう組合などに命じた。組合は職員の福利厚生のための団体で、代表者は島村宜伸農相。官公庁の共済組合による海賊本が著作権法違反と認定された。
 判決などによると、千葉県市川市の主婦、大川優美子さん(57)は92年12月、福祉団体代表だった経験を生かして「さしのべる手・ふれあう心 だれでもできる在宅介護」というA5判、約200ページの本を東京都内の出版社から出した。組合は93年3月、この出版社に介護の解説本を発注。出版社は大川さんの著作に当時の農水省厚生課長(68)の名が入った序文を加え、表紙に組合名を入れたうえ、奥付の大川さんの名を削って、組合に289冊を納入した。これらは希望する農水省職員に無償で配られた。
 大川さんは93年7月、無断使用を知り、組合の事務を担当する農水省厚生課に抗議したが、農水省側は「出版社のあっせんで購入しただけで、組合が作った本ではない」と回答。その後の交渉でも農水省が認めないため、大川さんは02年、組合と元厚生課長、出版社を提訴した。
 判決は、海賊版は組合の発注で印刷・製本されたもので「組合と出版社の行為は著作権侵害に当たる」と認定し、「組合は買っただけ」との組合側主張を退けた。著作権料約2万8000円、慰謝料6万円の支払いを組合と出版社に命じ、慰謝料のうち3万円は元厚生課長も連帯して払うよう命じた。

(以上記事から抜粋)
The Trembling of a Leaf -パブリックコメント提出運動編-『「官」の知的財産意識』より。問題となった大川氏著書と海賊版の写真比較が出来ますが、本当に酷いとしか言いようがなく、国の人間の"人間としての素質"を疑わざるを得ません。出版社自身はもとより、その改竄物を平然と受け取る農林水産省共済組合の認識は愚の骨頂です。国の人間の中に著作権認識を持ち合わせていない者が平然といる状況で著作権管理がきちんとできるのか、甚だ疑問です。

農水省の市毛光三厚生課長は「組合の主張が認められず遺憾だ。判決内容を十分検討して対応を決めたい」とのコメントを出した

(以上記事より抜粋) 「組合は買っただけ」という主張を通そうとする前に、人間として何が正しいのか、農水省はその根本を検討すべきではないのですか。常識の欠如としか言いようがありません。