facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

「ファイル交換ソフト利用実態調査」結果

社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会ACCS)と社団法人日本レコード協会RIAJ)が4月に実施した上記調査の結果が6/28にRIAJのHP上で発表されました。

内容は上記を参照してください。
さて、この調査において問題点が挙げられています。以下、問題を提起された、音楽配信メモ BBSでの十六夜さんの発言を抜粋させていただきます(一部補足)。

P2Pユーザーの数に関して、無茶苦茶なごまかしがあることに気付いていますか?
調査総数は23707人です。
このうちナローバンドユーザーが2190人です。
ブロードバンドユーザーは20955人です。
およその比率として、1:10となっています。

で、次にインターネットに接続している人数が、総務省の資料で3389万人と言っていますが、これの元になっている部分、
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040430_2.html総務省資料『インターネット接続サービスの利用者数等の推移【平成16年3月末現在】(速報)』
(上記資料は『ファイル交換ソフト利用実態調査』で使用されています)

こちらを良く読むと判るように、約1900万人は、ダイヤルアップ型接続、要するにナローバンドなんですね。

標本での構成比は1:10、母集団での構成比は19:14
統計学上、こういう事態が発生するのは、どれくらいの確率なのでしょうか?

こういう無茶苦茶な前提に基づいて数字を出すのって、RIAJの得意技なんですかね?

総務省資料で結果としてのナローバンド対ブロードバンドの比率が記載されていませんが、実際は十六夜さんの記載された通り19:14となります。
とすると、今回の調査結果がそのまま『ファイル交換ソフト利用経験者は、240.6万人に』という結論を導くものではない、ということが判明します。2つの資料−ナローバンドとブロードバンドの比率で余りに大きな乖離が発生−が何故結び付けられるのか、おかしいとしか言いようがありません。
もしかしたらこの資料に関しても、日本レコード協会がこれまでの、そして今後の政策を優位にするために作成され導き出された、ハナから結果ありきのものであるのかもしれません。個人的見解ですが、CCCD方策をより強固なものにする為、ファイル交換ソフトの利用者がこれだけいることの警告を示すことに念頭を置いたものではないでしょうか。今回の調査報告の見出しが『ファイル交換ソフト利用経験者は、240.6万人に』と、(見出しに記載されることで)半ば強調されているきらいがあります。
穿った見方なのは承知していますが、輸入権創設の際に三菱総研の都合のいい資料が作成・使用された経緯(こちらについては、高橋健太郎氏の5/29及び5/30付blogを参照してください)を嫌でも味わった過去があるだけに、とても今回の資料は信用できるものではありません。