facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

『角をためて牛を殺そうとしているのは、レコード産業界自身』/『コンテンツ保護の“日米差”はどこからくるのか』

NIKKEI NET「ネット時評」のコラム、5月14日(金)「コントロールの強化は本当に文化に寄与するのか?」にて、執筆者の仲俣暁生氏がCCCD及び著作権法改正問題について文化という視点から示していた問題について、本日付のコラムで、富士通総研 経済研究所 主任研究員の前川徹氏がビジネス面からレコード産業の動向を『いったい、日本のレコード産業界は音楽ビジネスをどうするつもりなのだろう。』(以上一部抜粋)と、問題しております。

(情報元:はてなダイアリー - Copy & Copyright Diary「NIKKEI NET ネット時評」)
レーベルゲートのMora(国内主要レーベル各社が共同出資して設立した株式会社レーベルゲートが実施しているサービス)とアップル・コンピュータのiTune Music Storeを比較し、Moraが価格・品揃えの各面から不十分とし、その上でCCCD著作権法改正法案の問題を踏まえ、以下のようにコメントしています(以下、一部抜粋)。

(社)日本レコード協会は「『流通促進』あるいは『消費者の利便性』の名のもとに著作権者の権利を弱めることがあってはならない。それは角をためて牛を殺すことになる」(「日本のレコード産業からの提言」平成14年4月10日)と主張しているが、角をためて牛を殺そうとしているのは、実はレコード産業界自身ではないのか。
 著作権を保護することは重要なことであるが、そのために使い勝手が犠牲になったり、消費者に余計な負担をかけることがあってはならない。にもかかわらず、著作権保護という錦の御旗を立てて、自分たちの目先の利益にこだわり、インターネット時代の音楽ビジネスのあり方を見誤っている。そもそも、消費者に支持されないサービスや産業に明るい未来があるわけがない。

●追記 ITmedia ライフスタイル「コンテンツ保護の“日米差”はどこからくるのか」
(情報元:音楽配信メモ)
Intel著作権政策責任者、2名に対するインタヴュー記事(来週にも記事が掲載予定)。以下一部抜粋。

筆者が思うに、現状の日本のデジタル放送は、コンテンツホルダーの主張のみが優先されており、ユーザーの利便性は完全に置いていかれている。

著作権の保護、そればかりに重きが置かれている現状の日本では、便利なサービスは生まれてこないように思います(著作権関連に対して、きちんとしたユーザーへのリサーチがされているのでしょうか。きちんと調査もせず、著作権保護の一元論で終始しようとしているようにも思うのですが考えすぎでしょうか)。富士通総研の前川氏のコメント同様に、現状の日本への懸念が示されております。