facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

2005/07/22『梅津貴之・真ココロ ツーマンLive 「わ」』@四谷天窓

7/22の梅津貴之・真ココロ両氏によるツーマンライヴ、歌に真摯に取り組むふたりの、実直さが垣間見れ、心地良さに浸れたライヴとなりました。

まず、オープニングアクトで登場したのは竹内真さん。バラードの貴公子と言われる彼がそのバラードを封印して披露した3曲。親友の梅津さんのツーマンを祝福しその場にいることを楽しんでいるかのような表情が印象的。更に、結婚したばかりの天窓スタッフ、高橋さんへ向けて結婚式ソングを披露(元は結婚する友人に書いた曲で、結婚式前に特別に披露する形となりました)。全体に祝福ムード溢れるライヴとなりました。
続けてはёricaさん。サポートに梅津さんと、真ココロさんが在籍するユニット、ジレンマの相方さんというダブルギターを従えてのライヴ。バンドが終わったばかりでまだソロでのライヴを経験していない(持ち歌が4曲のみ、とのこと)というёricaさんですが、歌が入ると彼女の堂々とした歌いっぷりに感銘を受けました。ひたすらに格好いい!の一言。「花」という曲の歌詞に"爆破"とか怖いフレーズもあるのですが、彼女の声にかかると神秘的になるのだから不思議です。梅津さんのコーラスとのバランスも見事で、フルでのパフォーマンスを早く観てみたい、と思うに十分なライヴでした。


そして、メインアクト一組目、梅津貴之さん。
転換中のBGMを断ち切るかの如く始まったピアノ弾き語りには驚かされました。そこで一気に観客の心を掴むと、ギター(プラス両足でドラム等を奏でる器用さがナイス)弾き語りで彼の世界を構築。もう、梅津さんの独特な歌声が実に温かく、彼独特といえるメロディラインと歌声が絶妙に合っているんですよね。真ココロさんの「つばさ」のカヴァーも自分の世界に持っていったのが印象的。そして、「稲光」。もう、この曲大好きなんです。個人的には梅津さんの魅力を伝えるに最適な曲ではないか、と。メロディやリズムはほぼ民謡調と言っても過言でなく、ともすれば民謡のような世界に陥りかねないのに(別に民謡が嫌いというわけではないのですが)、梅津さんの歌声が曲をポップスとして昇華しているところが素晴らしく、芯から浸らせて頂きました。この曲をやってくれたのが本当に嬉しかったですね。
中盤はバンドでベースを弾いている方が参加(最初は何にも喋らなくてノッポさんみたいな方だだ、と思ってたんですがいざ喋ると堰を切ったかのように喋る喋る!そのギャップが楽しかったです)。「霧雨の秋」「東京ナイズ」(この曲の山口百恵さんを思わせる昭和的格好良さが最高!)「夜汽車と春の歌」等、立て続けに名曲を披露。MCでは時折笑顔を交えつつ、歌になると真摯に取り組む梅津さんの歌ココロに惹かれずにはいられません。ベースがグイグイ引っ張って、曲をより加速させるのも良かった。
最後は「迷子」「季節のまわしもの」とバラードで。最後の「季節のまわしもの」で曲を止め、同曲のオルゴールを流しての退場となったのですが、まるで梅津さんのステージが真夏の夜の夢であったかのよう…不思議な空間にいるかのようでした。


次に登場はかえさん。ピアノ弾き語りで歌われた3曲は実に神秘的佇まいを持ち合わせ、不思議と心に入り来るようでした。月をイメージした曲が多く、かえさんにピッタリだな、と。自分の後ろに座っていた方が、最後の曲「月は東に 陽は西に」の旋律を聴き、"ヨイトマケ(の唄)みたいだね"と言ってたのですが、本当にそんな感じ。昭和の匂い(にほひ、と言ったほうが合ってるのかもしれません)溢れる好ステージでした。


そしてメインアクト二組目、真ココロさん。
初観賞となったのですが、ステージでの真ココロさんは実に真っ直ぐに歌に取り組む方なんだな、と実感しました。時に冗談を交えながらも(梅津さんの「太陽になる人」をカヴァーしたのですが、未だに歌詞の意味が分からない、と冗談半ばで梅津さんにツッコミを入れてたのも微笑ましい光景でした)、歌になるとその眼、声は真っ直ぐに観客に注がれていくのです。決して器用な歌い手ではないと思うのですが(ごめんなさい)、ピアノサポートの方が作曲した「君の絵」で、不器用ながらひたすらに思いを届けるという姿勢が実に格好良く、心に響くようでした。後半のラヴソング(「君が好き」〜「君を探してた」)でも同様に、歌詞に込められた思いをただただ真っ直ぐに届けたいという思いが溢れていて、会場を愛情で染め上げるよう。そして、ラストに披露した「まごころ」は、そんな真っ直ぐな彼の人柄が歌になった、と言っていいくらいの好バラード。彼が歌う理由の全てが託されたかのような素晴らしい曲、実直なヴォーカルでした。

しばらく(ストリート以外の)活動は行わない、という真ココロさん。明るい曲を作りまくるとのことで、楽しみにしています。



最後はセッションを披露。梅津さんと真ココロさんによる「小さく大きな幸せ」、「少年時代」(陽水さんのカヴァー)、そして全員での「僕が作った愛の歌」(チューリップのカヴァー)を。選曲が実にふたりらしく、やわらかで愛情の詰まった作品が丁寧に紡ぎ上げられていきました。最後まで笑顔の絶えない優しい世界がそこにあったように思います。


実に心温まるツーマンライヴでした。イベントタイトルの"わ"(「和」)に相応しく、心が和らいでいくようでした。