facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

7/18『ココ★ロック8』@渋谷WASTED TIME

18日はART君主催のココ★ロックへ。心はロックしている、をコンセプトに内に熱い情熱を秘めたアーティストが一堂に会する名イベント、今回で8回目となります。
当日は祝日ながら、裏には四谷天窓での結婚式二次会等があり、観客のバッティングもあったのですが、大盛況の、というより中身の濃いラインアップになりました。


神山貴満(O.A.)
オープニングアクトとして4曲を披露。ライヴ前は極度に緊張していたものの、堂々と存在感を放っていたのは、ライヴ回数を重ねる毎に築き上げた自信からでしょうか。
今回は彼の代表曲である「もち」をイントロなしのアカペラからスタート。斬新な試みでした。とりわけAメロでの高音が魅力的なこの曲を、イントロを削って頭に据えることで神山君の持つ声の魅力を十分に印象付かせることが出来たのではないでしょうか。
惜しむらくは、「黒ネコの恋」でのサビとAメロの声力がアンバランス過ぎたことでしょうか。別の曲みたいに分離した感が否めませんでした。もともといい曲だけに勿体無い気もします。とはいえ、「ただ ただ」等での安定感は回を重ねる毎に良くなっているので、今後の展開に期待です。


古賀久士
今回の古賀さん、実に情熱がほとばしっていました。圧倒的な存在感を放っているといっていいでしょう。
ココ★ロックでは、いつも自分が座る位置が決まっていて、毎回同じ位置(ステージ中央から左)からの写真だったのですが、今回はステージ右側から撮ってみたのです。そうすると今まで見えなかった鍵盤の弾き方や表情が鮮明に見えるんですよね。そこから観た古賀さんの姿は実に勇ましく、圧倒されました。
おそらくはクラシックを基調としたであろう繊細なピアノラインに、いつもより遥かに情熱を傾けたような指使い…いつも以上に指に心が込められているように感じられました。ヴォーカルが多少前のめりになった箇所もあったかなと思うのですが、それもまた、全霊を傾けたことの表れかもしれません。工藤静香さんのカヴァー「Ice Rain」のハマり具合も巧く、また最後の「パラダイス」(初めて聴きました)にはこれまでになかった古賀さんの新たな一面を観られた気がします。MCやライヴ終了後の話でも笑顔が絶えず、現在の充実振りを垣間見た気がします。


しみずまなぶ
しみずさんも言ってましたが、今回は神山さん、古賀さん、そしてしみずさんいずれも声の高いアーティストばかりなんですよね。彼らが続け様に"喉が弱いんです"と言ってドリンクを喉に流し込むのがネタになってました。
それにしても、しみずさんの高音域は実にココ★ロック的。繊細な中に熱を帯びたヴォーカル、特に高音域が脆そうに感じるのに芯が通っている、その絶妙なバランスが魅力的でした。ギターの温もりある音もあいまって、実にしみずさんしか出せない世界が生まれていたように思います。
「マーヤ」、そして赤坂MOVEのCDでお馴染みの「ハッチ」をはじめ、CD化された「ハイ&ロー」等、穏やかな中にも印象的なフックを持ち、強烈な印象を根付かせているのです。どっぷり浸らせて頂きました。そいえばあまり関係ないですが、神山君にちょっと顔かたちが似ていると思ったのは、空似でしょうか。


風来直
ライヴでうちを思いっきり弄んでくれた風来姉さんです(笑) この日はいつも以上にMCが冴えてました。海の日にちなんでのハワイの唄(アグネス・ラム、というフレーズが出てきて思わず笑ってしまったのですが、25歳未満の人は知らないんだろうなぁ(苦笑))でもって観客をつかみ、うちをネタにしまくったMCを放った直後の「永遠」…卑怯なくらいに見事でした。集中力の高さ、歌の歌詞に即した感情の緩急の付け方。感情の表現力が今回とりわけ見事で、「おたまじゃくし」でのコミカルなところも、「傘はささないことにしたんだ」での恋愛真っ最中の主人公の想いも的確に表現していて、歌詞の言葉よりダイレクトに伝わってきます。ライヴ三昧(ライヴをするのも観るのも。スケジュールがびっしり)で体力も消耗しているはずなのに全く疲れ一つ見せないのは、風来さんが心からライヴを楽しみ、沢山のエネルギーを吸収しているからなんだろうな、と実感。実に堂々としたライヴでした。格好よすぎでした。


ART w/ 古賀久士
酒を飲んで気持ちがハイになっていたART君。そのためかいつもより繊細さは若干薄れたものの、歌ヂカラをいつも以上に感じられるステージとなりました。歌への熱が込められているように感じられたのは、何か"吹っ切れた"感があったのかもしれません(お酒の力があったにせよ)。ボルテージを上げたART君の歌に合わせて熱を帯びる古賀さんのピアノもまた絶妙で、良いバランスを持っていました。後半の新曲3連続(「願い星」〜「サイボーグ」〜タイトルが決定した「君に逢いたくて」)での明るめな曲中心の構成が違和感なく感じられた(これまでは暗めの曲が非常に多く、明るい曲はイメージに無かった)のは、ART君が新たな局面を開拓し、自分のモノにした証拠でしょう。実に堂に入ったステージで魅了されました。この勢いでどんどん新曲を書いてほしいものです。



次回開催は10/16(日曜)、渋谷WASTED TIMEにて決定しています。次回も楽しみです。