facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

7/9『竹内真「sing a song」発売記念ワンマンライヴ』

漸く、ライヴレポートを書きます。
レポートの前に、ライヴ終了後の飲み会の席で極度の体調不良等により、皆さんにご迷惑をお掛けしてしまい、申し訳ありませんでした。

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当日は生憎の雨。
同じ建物の下の階では木村至信バンドのワンマンライヴが開催、とのことで互いの観客が長い列を作り、30分押しの中でのスタートでした。


これまでの数多のライヴで、【竹内真=弾き語り】という方程式が自分の中で確立され、オンバト熱唱編でも10組中唯一弾き語りというスタイルで披露したこともあってか、バンドスタイルというものに若干の違和感があったのは拭えずだったのですが、曲を重ねるうちに、それは単なる杞憂だったんだと思い知りました。バンドスタイルで披露した曲は聴いた瞬間に耳に馴染むくらいの心地良さを持ち、スーッと沁みこんでいくようです。特に後半のバンドスタイルにおける「鈴木」(これが確信犯的なずる賢さを持った曲で、真さんの新たな一面を垣間見れるに十分)〜「星空ジャック」のバンドでの華やかさといったら! 「星空ジャック」なんて、当初からバンドでの音を意識してソングライトしたのでは?というくらいピッタリハマっていました。


バンドでは各パートの役割を各々が十二分に果たしていて(楽器持たない自分が言うのも説得力に欠けますが)、曲そのものの持つ魅力を引き出し、楽曲の力をより強固なものにしています。ベース&ドラムの屋台骨はしっかりと、タカユキさんのキーボードはクラモトさんに旋律を委ねたこともあってか自由に鮮やかな和音を奏でています。そしてウワモノの音でのクラモトさんのピアノ(真さんの曲とピアノがここまでしっくりくるとは!)と、田辺博信さんのギターの曲への寄り添い方が見事。田辺さんは若干19歳ながらまるでベテランの如き堂の入り様で驚きでした。


構成も巧く、バンドで前後をガッチリと固めつつも、アコースティックコーナーをしっかり持ち(それも3つのスタイルで)、自分の曲を様々な角度から魅せる方法に唸ってしまいました。【竹内真】ソロでのステージの圧倒的な存在感は言わずもがな、個人的には【竹内真+田辺博信】での田辺さんのアコースティックギターの絶妙なタイミングでの入り方、そして【竹内真+クラモトキョウコ+中野裕二】での、とりわけクラモトさんのアコーディオンが強烈な印象を放ってて印象深かったですね。特に後者では、全くカラーの異なる2曲 −穏やかな語り口の「何気ない夕方の物語」(そいえばこの曲の前のMCで真さんから名前呼ばれたのですが、まさか本名で振ってくるとは思いませんでした。策士ですよ真さんは)と歌に力のこもった「春」− において、クラモトさんの奏でるアコーディオンの音色が全く異なって聴こえたのです。曲の詞世界がまるでアコーディオンに受け継がれ、音色反映されてるかのように感じられたのです。穏やかなときには寄り添うように、哀しみを湛えた曲では徐々に寂しさを滲ませていくように聴こえるアコーディオンの音色が、まさに真さんの曲にピッタリでした。見事の一言に尽きます。


そして何より、主役である竹内真さんの素晴らしさがライヴのそこかしこに溢れていたように思います。曲の詞世界によって色を変えるヴォーカルの素晴らしさは言わずもがな、ギターのテクニックの凄さ(特に「鈴木」では左手が気になって仕方なかったくらい!)にも驚かずにはいられず。そして、彼の笑顔が何よりも今の充実振りを表しているかのようで素晴らしかったですね。笑顔といえば、ライヴ全て終了と思ったのもつかの間、サプライズで登場した誕生日ケーキに、驚きつつも満面の笑みを浮かべていた真さん。自然とこぼれる笑みが印象的でした。バンドメンバーや当日観客として参加した沢山のアーティストやファンの方々に、支えられているんだな、という思いを抱かずにはいられません。


アンコールを含め全16曲、2時間強のステージを完走した真さん、本当にお疲れ様&ありがとうございました。休む間もなく次のステップへと進み始めた真さん、新たな展開を期待しています。あれだけのステージを魅せられたら、期待しないほうが無理というものです。