facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

4/23『スリーマンライヴ「携帯なのに1分10円!?(仮)」』@西荻窪w.jaz レポート

"(仮)"のまま当日を迎えたイベント。タイトル自体、竹内真さん&和田周太さんコンビの思いつきの模様で、こんな洒落っ気あるタイトルを思いつくのはさすがアーティスト!と思ったり。タイトルの洒落っ気とは別の意味で実にお洒落、且つ熱いステージが展開されました。
場所は西荻窪で最近真さんはじめミュージシャン仲間で熱い支持を集める。西荻窪ライヴ&スポーツバー"w.jaz"。空間の広さ、壁に飾られたお洒落なLPジャケット、照明等の穏やかさが実に心地良い空気を生み出しています。オーナーはじめスタッフの方の気さくさも人気のひとつ。料理も美味しく(タコライス、絶品でした!!)、心の羽根を広げるには絶好のスポットです。


ライヴは今回の紅一点、峰香代子さんからスタート。


峰香代子
久しぶりに拝見できたのですが、曲が始まった瞬間、初めて聴いた時の衝撃が戻ったように感じ、いやその時より格段に衝撃度が上がっていて、"峰香代子の世界観"は飛躍的に上昇しているのを感じずにはいられませんでした。峰香代子さんに堕ちていった、と言っても過言ではありません。

彼女の紡ぐ世界はジャズから和モノからクラシックからソウル(「バレリーナ」での旋律が「A Song For You」を意識している?凄く格好よかったです)など、様々な要素を取り入れながら一曲一曲どれもが峰香代子さんのピアノ、声(時に激しく迫ったり濡れたりイジワルっぽい感じだったり、万華鏡の如し)、そして歌うときの表情(特に眼の表情が素晴らしい!泣きそうだったり鋭く突き刺すようだったり…歌詞の表情がより輪郭をくっきりさせています。最前列で観たのですがこの"眼力"は衝撃でした)により彼女独自の世界にきちんとまとまっているのです。一方で、彼女は結構な天然さん?でもあるようで、このギャップが彼女の親しみやすさの理由なのかもしれません。ちなみにMCでは、

  • 昨日、日記を30日分更新しました!
  • チョコレート禁止している、いわゆる"禁チョコ"です
  • (最後の曲の前に)あと"ツーマン"なので楽しみにしてくださいね

など。文章にするとニュアンス分かり辛いけど、実際に峰香代子さんが言うと面白いんです。

今回、とりわけ衝撃だったのはラストに披露した、片想いの曲「ソウル」。サビの歌詞、"張り裂けそうな胸"での表現力は最上級、逸品でした。このフレーズでメロディが一気に高音化するのですが、片想いでのクルシイ心の内−例えるなら硝子の如き、か−を声の表情が見事に的確に表わしていて、それが一気に高音化するメロディと化学反応し、まるで歌ってる峰香代子さんが片想いの只中にいるかのような錯覚さえ抱くほど。ただただ、素晴らしかったです。5月の4曲入りミニアルバム(前述の「ソウル」をはじめ「BLUE」等収録)、そして年末の振るアルバムが今から待ちきれません。



和田周太 w/城戸崇光
本格的なライヴ復帰、と言っていいでしょう。心よりお待ちしてました。
約1時間に及ぶ本格的なライヴ。峰香代子さん&竹内真さんという最高のメンバー(峰香代子さんは周太さんの希望が叶いブッキング、とのこと)と、気心知れたキド兄弟の兄ちゃん、城戸崇光さんをサポートに迎え、これ以上ない環境でのステージ。なにより楽しんでたのは周太さんでしょう。MCで笑わせながら表情に一点の曇りもない、時に渋く時にセクシーに、フェロモン放出のステージでした。ちなみに先日このブログで、竹内真さんがNHKオンバト熱唱編に出場したと記載したのですが、周太さんは昨年一度オンバトに応募したことがMCで判明したのです。しかし、レスポンスもなく、はて?と思いよくよく宛先を確かめてみたら"観覧希望"に出してたことが分かったという、なんとも楽しすぎる話を披露。しかも音源出してないっていうんだから、もっと早く気づいてもよかったじゃないっすか!って思ったり(笑)

キラーチューン「Sarry」やワンループのギター(この曲を含む後半で城戸崇光さんはエレキを使用。エレキ姿も格好よすぎ! さすが"スティーヴィー・レイ・ヴォーン"って紹介されただけのことはあります)が悩ましい「no smile」等でセクシーフェロモンを放出しながら、恋愛パートの「二人の恋」「白い部屋」、命を題材にした「snow dance」「Future World」等ライヴ構成にもまとまりがあってより伝えたいことを明確にしていたのが非常に良かったですね。特に最近作り上げた「snow dance」、サビへ向かう際の切なさを増していく展開が個人的にツボでした。そして代表曲の一つ「ever...」のイントロに新たなフレーズが入っていたのですが、イントロが入ることで曲のイメージがより鮮明になる感覚、更に切なさを増していました。なんでも、いぶきからのアドバイスでイントロの追加フレーズが決まったとのこと。逆にいぶきの名曲「コブシ」での疾走感を増す低音イントロは和田周太さんのアイデアで、互いに刺激を受け合い良い方向にシフトしているという印象を感じずにはいられません。

今回、和田周太さんHPでリンクされているアーティスト仲間、Nude Voiceの曲「Wastin' Time」をカヴァーしていました。長期休暇を経て再始動した周太さんの意気込み(というと力入ってる感じに聞こえますが、実際は楽にラフに行きましょう、という前向きさという意味で使いました)が伝わってくるようでした。回り道も大事、その中で出会えた沢山の仲間と刺激を与え合いながら着実に成長していこうとする姿勢を感じることが出来、嬉しくなりました。



竹内真
前の週の涼〜そよぎ〜のレコ発ライヴではインフルエンザの猛威にヤラれていた真さん。今回、回復後初のライヴを観る事が出来ました。ちなみにインフルエンザは音楽仲間、後藤冬樹さんにうつった模様…お大事にしてください。早く良くなる事を願っています。
前述の涼〜そよぎ〜レコ初でも1曲目に据えた「afternoon tea」で幕開けたステージ。この曲での完全回復具合にホッと胸をなでおろしました。その後は、リラックスしながらもきちんと緩急使い分けたステージを披露。堂に入った、という言葉が特にピッタリでした。2曲目の「MY LOVER」は前述のオンバト熱唱編でのオンエア楽曲。その日のオンエアをこの会場で観たという真さん。かなり恥ずかしかった、というか100インチの大画面で見る自分は"ムサかった"とのことでした(表情も硬かった、と。)。ちなみにオンバトでは尺の都合上2番の歌詞からのスタート。この曲は生で、フルコーラスで是非聴いてみてください。


途中、新曲2曲を挟んだステージ。この新曲のうち、今回が初披露となった「星空ジャック」。イントロからして、ズルイくらいに持っていかれます。ボサノヴァを勢いよくBPMを上げて弾かれるイントロで、既に夜空に連れて行かれるくらい。そのくらいキャッチーなのです。子供のとき音楽をあまり聴いてないと語っていた真さん。彼の音楽の引き出しはどこにあるのでしょう。披露される曲のバックボーンが凄く気になります。センス抜群です。無論メロディ展開も曇りありません(歌詞はサイトのダイアリーに掲載)。
個人的に大満足だったステージ。その中で特に!というのをしいて一つ挙げるならば「ハナビラ」が聴けたことでしょう。最近「ハナビラ」づいている真さん(桜散る、そんな季節的理由もあると思います)。この曲を聴くと真さんの紳士的優しさとは別の側面を感じられるはず。この前の曲が「薬箱」ということもあったと思いますが、「薬箱」の最後のサビ前の"檻の中に閉じ込められ"からのフレーズで見せる強い悲しみの表現を、「ハナビラ」では1曲丸ごと声で、ギターで奏で上げるのです。昇華、というよりは深い海の底に落とされていくよなイメージに浸りきってしまいました。さすがに真さんはMCで"イベントの最後でなんで悲しい曲連チャンなんだ!?(笑)"と言ったほど。そのくらいの感情の高ぶりを感じずにはいられませんでした。



3者3様に、アコースティックを基調に、3名とも様々な世界観を魅せてくれたステージでした。贅沢、且つ心が動きまくりの素晴らしいイベントでした。皆さんに感謝です。
(個人的な問題も解決に向かえそうです。その意味でも感謝しきりです!)



●追伸
PhotoAlbum集には、このステージ後に行われた打ち上げの模様も収めてあります。その模様は時間の関係上、後程掲載したいと思います。いろんな意味で書けないこともあったりして(?) ちなみにその打上げで生まれた写真のひとつをPhotoAlbumの表紙にしています。