facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

2005年リリースのThe Chemical Brothersの新譜について

来年1月1日より、著作権法改正法案が施行され、還流盤のみならず輸入盤全体が輸入禁止になる可能性がゼロとはいえないという恐ろしい状況になってきています。
そこで、改正法案可決前後に政府や文化庁日本レコード協会が口約束してきた「還流盤以外の輸入盤は制限しない」ことについて、その言葉通りに法案が適用されないといけないわけで、私達は動向を注視する必要があります。自分は個人的な諸事情によりサイト更新を出来ていませんでしたが、今回自分への課題という意味で以下の文章を掲載します。

今やクラブ・ミュージック・シーンでは人気、知名度共にNo.1の座を揺るぎないものにしながらも、常に新境地開拓に挑戦し続けるトムとエドの2人組Chemical Brothersのニューアルバム「Push the Button」のリリースが決定!しかも、世界に先がけ1月13日、日本先行リリース予定!

CCCDは…」という方にも朗報です。
CCCDではないUS盤が、hmv.co.jpだけのスペシャル・プライス¥1890にて取り扱い開始。なんと約45%オフ。
どうぞお早めにご予約くださいませ。

(以上、サイトより一部抜粋)
J-WAVEでは来週日本発の先行試聴会を開催することが決定した(おそらくCCCDとは思いますが)The Chemical Brothersの新譜が来年1月中旬に発売されます。先行発売の日本盤のリリース元である東芝EMI、そして東芝EMIが直で仕入れている(直輸入であろう…個人での判断であって断定はしかねるのですが)UKからの輸入盤はいずれもCCCDでの販売ですが、HMVでは通常CDのUS盤を(おそらくは並行輸入で)輸入、販売する方針を打ち出してきました。

輸入盤が改正法案施行後もきちんと入ってくるか、という判断基準として、1月リリースの大きな目玉であるケミカルへの注目度は高まるでしょう(ただし、大物アーティストは輸入禁止をせず、セールスを見込みにくいアーティスト(嫌な表現ですが)の作品は輸入禁止、という恐れも、個人的には考えられると思います)。また、東芝EMI関連の作品は、日本のHMVタワレコRECOfan等で見かける作品の9割以上が欧州・Virginレーベルからの輸入盤でありほぼ全てがCCCD仕様であるため(今年の例ではJanet、Beastie BoysN.E.R.D.ChingyJavine等。HMVタワレコでUS盤の非CCCDの方を扱う姿をあまり見ませんでした)、USからの並行輸入盤(非CCCD)を扱うAmazon.co.jpから購入する方も多いはずで、輸入盤規制がレコード会社からの直輸入盤には適用されずに並行輸入だけを規制するものとなれば非CCCDを購入する手段はなくなってしまう可能性が高いのです。レコード会社主導の法案である以上、輸入盤全体は規制せずとも並行輸入盤のみその対象になりうるという仕掛けがあるかもしれません。現に、非CCCD云々以前に、USでリリースされながら1〜2ヶ月ほど、日本のHMVタワレコで見かけなかった(Amazon.co.jpにはあったということは直輸入以外で仕入れることについて問題が生じた?)作品が、R&Bのカテゴリーだけでもたくさんあり、既に並行輸入盤規制の動きが始まっている、と個人的には考えるのです。
(ちなみにそれらの作品を挙げてみると…Jon B.の10月発売の新譜(店頭初見は11月中旬。ただしレーベルメイトのDe La Soulの輸入盤は海外での発売に合わせて日本でも販売)、Raphael Saadiqの9月発売の新譜(11月の段階で輸入盤は発見できず。RECOfanでは販売。ただしレーベルメイトであるTruth Hurtsの作品は輸入盤は海外での発売に合わせて日本でも販売)、Jill Scottと同じレーベルからの7月発売"Unwrapped vol.3"(9月以降になって突如取扱がされており、急なタイミングだったことを覚えてます。取扱がない、との回答をHMVタワレコより得ていたので)、といったところです。ただ、自分が店頭で週1〜2回直接行って店頭で見た情報なので、精度が高いとは言い切れませんが。)

まとめると、上記ケミカルのUS盤取扱の意義は以下の意味において大きいのです。

  • 輸入盤規制の著作権法改正法案施行、その直後の輸入盤の発売である
  • レコード会社からの直輸入盤CCCDではない、並行輸入US盤CDの取扱を行う(並行輸入が行われるのかの判断基準になる)
  • HMVが"非CCCD取扱"を明言し、CCCDへの姿勢を改め始めている(のではないか?)

法案がおかしなことに使われないか、注視する基準として自分は店頭での動きを確かめようと思います。
仮に還流盤の枠を越えて規制が発覚した時、消費者が行える抗議手段を明確にしないといけない、とも思います。