facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

"温泉旅館"を危機に陥れる法律の改正 - 法律(改正)はもとより、"水面下での決定"が由々しき問題

温泉旅館が窮地に陥る、と聞いて"聞き捨てならない"と思った皆さん、是非下記のリンク先を参照していただきたいと思います。

法改正の内容を、リンク先から抜粋。

この法改定により、長期にわたり摂取すると健康被害を招くとされるホウ素やフッ素を排出する基準が強化され、2007年7月以降ホウ素やフッ素を排出する事業場として最も数が多い温泉旅館に対して排水規制の取締り対象になり、排水規制が行われない場合は除去装置を買うなどの対策を行うまで営業停止等の処罰が科せられることになる

温泉は自然に湧き出るもので、ホウ素やフッ素の排出量(の加減)が自然まかせである以上、それを取り締まるというのは常識的な考えとして難しいのではないでしょうか。
(人工的に産出している工場等での規制強化ならば納得がいくのですが。すなわち、強化できそうなところではなく、強化が難しいところに敢えて規制を敷くというやり方は納得がいきません。まるで、国自体の無駄を見直さずに、保険料の値上げや消費税率の上昇、年金見直し等を行うようなものでしょう)
この法律の改正内容の問題点を分かりやすく指摘している上記サイトにおいて、最も気になった点は下記の部分。

さて、この展開、どこかで見たことがないでしょうか…まあ、当Blogでも盛んに取り上げているレコード輸入権に係る著作権法改定の件もあるのですが(詳細は当Blogのカテゴリー「輸入権問題」を参照)、今年の冬から春にかけて盛んに論議された電気用品安全法PSE法)と非常に似ているように思えてならないんですよね!!
(中略)
 確かにこの水質汚濁防止法は、正直言ってPSE法ほど誰もかれも対象になるという法律でもないですし、またPSE法ほど身近な問題ではないかもしれません。
しかし、PSE法と同様に本来国民に対して法の趣旨や猶予期間等について全く説明してこなかったという点では、現在の法律施行のあり方について大いに問題があることには違いないですし(それは今の著作権法改悪…保護期間を死後50年から70年に引き上げようとしている…についても同じですが)、何より、杓子定規な法的運用により、日本古来から健康保養、療養に活用してきた「源泉かけ流し」温泉が一気に消える危機を迎えることになるという点は、日本の温泉文化を守る上でも大いに問題があると言えるでしょう。

(以上、雑貨屋の広報掲示室『水質汚濁防止法は第二の電気用品安全法か??…その1』より一部抜粋)
…結局、今の政治は国民に大きく関わる法律の改正に関して、広く国民にアナウンスや改正内容の提案を行わないままに法案の作成/改正を行う(ともすれば法律の作成/改正により多くの人間が不利益を被るにも関わらず、であり、他方では一部の"権力者の利益"だけが保障/約束されている)のです。
音楽問題を扱う中でこのような、あたかも"水面下での決定"に疑問を抱いていました。しかしこの"水面下での決定"は、音楽だけでなく沢山の業界に侵攻しているということに、現在の政治の問題が在ると考えます
(これは"政治活動を報道する"マスメディアの問題でもあります。輸入権問題でも法律改正まで一切取り上げなかった局もありますし、今回の問題に関して言えば、

しかし、この問題は環境省等で広く周知されていた訳でもなく、またマスコミ等で殆ど取り上げられることも無く、今年の11月22日付の「日経流通新聞MJ」の一面に「温泉に排水規制 旅館ピンチ 来年にも新基準」という記事が取り上げられてから、事の重大さが広まった…という訳です。
(実際にGoogle Newsで検索しても、この問題について取り上げている記事は一つもなかった)

(雑貨屋の広報掲示室『水質汚濁防止法は第二の電気用品安全法か??…その1』より一部抜粋)
とあり、政府活動を報道を介して通達するはずのマスメディアの存在意義さえ疑いかねません。報道が一切ない一方で、番組等での"温泉特集"はどの局でも行われている…今回の法改正をマスメディアに関わるすべての人間が理解し、"温泉特集"で温泉の素晴らしさを訴えるならば、同時にその素晴らしい温泉を守ることや、法改正での温泉旅館への危険を通達すべきでしょう)


今回の法改正で、"温泉旅館"の窮地と、同時に現在の政治の"水面下での決定"のやり方、その両方が浮き彫りになりました。この危険を回避するためには、前者においては法改正の内容の世間一般への浸透及び検討、後者においては現在の政治の問題を声に出して訴えることが必要であり、どちらの場合においても"全国民の政治への参加・意識を持つこと"が必要なのは明らかです。


法改正により、仮に名湯が、素晴らしい温泉旅館が消えたり、宿泊料金等が急騰したらどう思いますか。


■追記
雑貨屋の広報掲示室さんのブログでは名湯の情報も多く掲載されております。私事ですが、我が地元の温泉も掲載されており、非常に嬉しく思っております。ですからなおの事、温泉旅館・温泉が窮地に陥ることだけは避けなければならないと思うのです。