facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

読売新聞社説に、"著作権延長問題への理解度"及び"報道の中立性"を疑う

ふっかつ!れしのお探しモノげっき『ああ、もう大新聞がこんなコト書いていいのかよぉ・・・っていう・・・』及びエンドユーザーの見た著作権『読売社説:著作権延長問題を全く理解できずにトンチンカンな高説をタれる大企業の痛い論理』経由。記事の内容は著作権延長問題における70年への延長賛成を打ち出していますが、エンドユーザーの見た著作権『読売社説:著作権延長問題を全く理解できずにトンチンカンな高説をタれる大企業の痛い論理』での的確な分析が顕著なように、問題の根本を果たして読売新聞社側が理解できてるのかが最大の問題ではないのでしょうか。
(この場合、記者の能力を疑うべきかもしれませんが、最終的にこの記事を掲載するにGOサインが出た以上、担当者を含む読売新聞の能力自体を問う必要があるといっていいでしょう)
エンドユーザーの見た著作権『読売社説:著作権延長問題を全く理解できずにトンチンカンな高説をタれる大企業の痛い論理』から以下、引用させていただきます。

この記事を準備している間に、こんなものまで読売サイトに掲載されていましてね、もう‥‥

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/dr/20061121md01.htm
著作権の保護期間 : 大手町博士のゼミナール」
(トレンド : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞))

 これ読んで、さらに頭痛が悪化しましたよ。

 一見、賛否両論で書いてあるかのようではあります。しかし、実は構成上 賛否の扱いに差をつけてあるんですよ。「延長すべきとの意見がでているのはなぜですか」の答えの部分には賛成派の意見しか載せていません。逆に「反対の声もあるようですが」の段になると、延長反対意見の後でそれを打ち消すように賛成意見(反対の反対)を掲載しています。これでは賛成意見が印象づきますね。嫌らしいレトリックを駆使しています。
 さらに悪質なのは、これらの段の間に『ローマの休日』の件を挿入して中立性を装っている点。明らかに読者を騙そうとしているということです。全体を通して読めば、延長に賛成する立場が刷り込まれるという仕組み。

 なお読売新聞は社説ではさも“金の問題ではない”的な建前で書かれていたのですが、同じネタを扱ってるこの記事は「マネー・経済」のページに掲載されています。
 ──語るに落ちるとはこのことですね。

個人的に強調した箇所において、この文章が、賛成側に有利なほうに"意図して"構成されたのではと疑ってよいでしょう。となると、記事は中立性を著しく欠いていることになります。
報道における中立性の有無、という大きな問題にもなるのでこれ以上は触れません。ただし、著作権延長問題が国民会議の登場により"賛成・反対双方の活発な議論の展開"がなされようとしている状況において、大きな力を持ち国民意識を大きく左右しかねない全国紙が、半ば賛成側の意見ばかりを考慮した中立性を欠く記事を掲載したというのは、報道のモラルにおいて、議論の状況に少なからず影響を与えかねない点においても、あってはいけないことだと言い切らせていただきます。