facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

ソニー"PS3"不具合の問題の根本は、ハードそのものよりマインドである

発売日の混雑が話題となったソニーの新型ゲーム機"プレイステーション3"(以下、PS3)について、互換性不具合のPS2ソフトが多数あるという報道がなされています。

忘れようとしても思い出せない日記 rebirth『PS3のPS1、PS2互換機能に問題があるばかりか広報の頭にも問題がある件』にて知ったのですが、この問題発覚の際の担当者のコメントを読む限り、この問題を軽視しているように思えます。以下、CNET Japanの記事より抜粋。

ソニー・コンピュータエンタテインメントSCE)の新型ゲーム機「PLAYSTATION3」(PS3)において、互換性のある「PlayStation2」(PS2)の一部のソフトで動作に不具合が発生することが、11月13日までに分かった。不具合が発生するソフトは11月11日時点で少なくとも約200タイトル存在しており、画像表示や音声再生が正常にできないなどの現象が見られる。
(中略)
これについてSCE広報担当者は「PSおよびPS2のソフトは8000〜9000ある。問題があるのはその一部のソフト。音が聞こえない程度であれば、我慢すれば遊べるので問題ないと思う人もいるだろう。ハードの進化による非互換の問題は他社(のゲーム機メーカー)を含めて業界として知られていること。当初から互換率は100%ではないと考えていた。
(中略)
具体的に不具合のあるソフト数やその解決時期などについては、「お客様に誤解を与えてしまうため、現時点で問題のあるソフト数やいつまでにその問題を解決するのかについてコメントすることはできない」として明言しなかった。

なぜ明言できないのでしょう。明言できないゆえにPS3の購入を見送る方もいるはずです。しかしながら、"我慢すれば遊べるので問題ないと思う人もいるだろう"という発言からは、問題があれど買ってくれる人はいるんだから、問題を云々言う人はお客様じゃない、とでも読み取れるのではないでしょうか。
当初からPS3には何らかの不具合が生じるのでは、という意見はブログにて散見されましたし、当のメーカー自体がそれを予測していたはずです。となると、PS3は当初から不安がある、という顧客の潜在意識に対し、なぜそれを解消させるどころか不安を助長、もしくは、大げさでも顧客の神経を逆撫でするようなコメントを放つのでしょう。完全な上からの物言いと思われても仕方ないでしょう。


CNET Japanの記事には、"追記"項目があります。

上記の記事発表後、SCEから同記事に対してコメントが寄せられた。以下が同社広報担当者による追加コメントである。

 「PS3発売日の11月11日までにソフトの動作に対する修正をするため、我々は寝ずの作業を続けるなど、最大限の努力をしてきた。CNET Japanの記事中にあるコメントで、企業として消費者に冷たい印象を持たれかねない発言があったが、伝えたかった真意は『不具合という言葉だけで一概に言い表すことはできないので、ソフトごとの状況を詳細に公開し、利用者の方々に判断してもらいたい』ということだった。

消費者の希望は、予想通りの不具合が生じた事について、

「検証できたタイトルから順次情報を公開すべく、誠意努力しております」

(忘れようとしても思い出せない日記 rebirth『PS3のPS1、PS2互換機能に問題があるばかりか広報の頭にも問題がある件』より引用)という誠意のある姿勢を見せてほしかったのではないのでしょうか。それに対し、"寝ずの作業"という、私達は努力したのが分からないのか、と捉えられてもおかしくない物言いで、責任逃れの態度に終始するのは、不具合問題を結局重視できていないと考えてもよいでしょう。

ソニーは、ノートパソコン等の問題においても、発覚後しばらくの間自社の責任を認めようとしませんでした。雪印三菱自動車パロマ等の例をとるまでもなく、責任逃れの態度を続けた企業は明らかに斜陽へと向かいます。不具合以前にマインドの不具合、非人間的な態度を改めることが先決です。