facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

オリコン"PC向け音楽配信からの撤退" - 要はオリコン自身の問題では

オリコンがPC向け音楽配信事業から撤退、とのニュースが出ています。

以下、引用。

日本レコード協会によると、本年4月から6月までの3ヵ月間の「インターネット・ダウンロード」の売上金額は約13億円にとどまり、国内でPC向け音楽配信がまだ根付いていない背景があり、アフィリエイトビジネスへの転換はやむを得ないようだ。

"約13億円にとどまり"、"音楽配信がまだ根付いていない"という言葉が引っかかったので、過去のニュースを追ってみたところ、

2006年第2四半期も、インターネット・ダウンロード、モバイル共大幅に伸長し、インターネット・ダウンロードが、数量で前年同期比569%の594万回、金額で前年同期比543%の12億6,472万円、モバイルが、数量で前年同期比146%の8,455万回、金額で前年同期比153%の112億9402万円と好調に推移しました。また、有料音楽配信の金額の合計では、前年同期比165%の125億8,837万円となりました。

太字に注目。日本レコード協会オリコンにて、見解の差が生じています。

ここから考えられることは、第2四半期売上の約13億が多いか少ないかという問題はあれど、前年同期比で急伸している(ただし2006年第1四半期の同売上は12.2億で、3ヶ月推移では伸びていない)音楽配信産業からの撤退は、それがアフィリエイトへの移行云々はともかく、音楽配信全体の順調な推移に対して、オリコンのそれがユーザーフレンドリーではなかったのでは、と考えるのが自然ではないかと思います。11月6日付週間シングルチャートの上位30曲での配信は6曲、10月31日付デイリーシングルチャート20曲中では絢香「三日月」のみというのは、公式チャートを掲載し、今まさに売れているものを発信するという企業の音楽配信としては、あまりに陳腐です。ユーザーフレンドリーから程遠いのではないでしょうか。
その企業の音楽配信撤退を、あたかも"日本ではPC向け音楽配信根付かず"と、しかも(Yahoo!ニュース経由であれ)自社が作成した文章(上記Yahoo!ニュースリンク先にて、情報提供元がオリコン自身であることが判明)で示すことは、負け惜しみという感情も伴っているとはいえ、全くもって身勝手な判断と言っても過言ではないでしょう。音楽配信をビジネスとして成熟/文化として浸透させることのない企業が"根付かず"とは言語道断です。