facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

カトリーナ被災者救援ライヴ、そして被災者への配慮なき発言

StilL,SouL.『BET Relief Telethon』経由。カトリーナ被災者への救援として『たくさんのHip Hop / R&Bアーティストが集結してハリケーン救済基金を』(以上一部抜粋)募ったライヴ(BETにて放映)の模様がアップされています。

アメリカ人の団結力の強さを感じずにはいられません。参加アーティストのラインアップの豪華さも含め、一刻も早い復興を願わずにはいられません。



しかしながら、このカトリーナ被害に関して、被災者を侮辱したといっても過言ではない発言が掲載されていました。掲載元は『勝谷誠彦の××な日々。』です。
(情報元:[http://tvmania.livedoor.biz/archives/50084583.html:title=★てれびまにあ。『★勝谷誠彦の日記「黒人佃煮発言」で閉鎖?』])

以下、日記より一部抜粋させていただきます。9/12付日記より。

政策から言ってもイラク侵略をめぐる世界の世論から言ってもケリーが勝つことは当たり前のようであった。しかし実際に票を入れたのは今回ニューオリンズで佃煮になっている太った黒い人たちである。結果として世界はイラクの惨状をまた見続けることになった。

この日の日記の主旨は9/11選挙ではありますが、太字で強調した箇所について凄く気になるのです。
この場合、"実際に票を入れたのは黒人である"と書くべきでしょう。ニューオーリンズカトリーナの被災地であり、そこで被害を受けた黒人に対し"佃煮になっている""太った"という表現は、被害に遭った者の心情を全く意に介さない暴言に思えてなりません。
まず、(当たり前のことでしょうが)全ての黒人が太っているわけではありません。そして"佃煮"ですが。おそらくは台風後どこへも行けず、炎天下で干からびていった(そして命を落とした)という意味で使用しているのでしょう。そして"太った"という言葉を引用することで、干からびていく様をよりダイナミックに表現しているようにも感じられます(実際に勝谷氏がどのような意図でこれらの言葉を用いたかは不明ですが)。

被災して命を落とした、もしくは助かったとしても家を失ったり家族や友人を失ったりして失意にある被災者に対し、"今回ニューオリンズで佃煮になっている太った黒い人たち"と書ける神経を疑ってしまいます。しかも平気でそれら言葉を使用しているのです。

平気で、と用いたのには理由があります。
この発言が元でサイトの管理人から文章の修正の要請を受けているのにも関わらず、要請を受けた後の日記には以下のように記載されています。以下、9/13付日記より一部抜粋させていただきます。

みなさん興味がおありだようで膨大な同様な指摘を頂戴しましたが、もちろん私が検閲を受諾して訂正などするわけはありません。
「佃煮」にしたのが誰かという姿をそこで思い浮かべる批判的想像力を持たない方々に媚びて文章を書くつもりはありませんし、いかなる解説を自分の文章に加えるつもりもありません。

ニューオーリンズでの被害を悪化させた元凶がブッシュ大統領にある、という点では私も同じ意見です。しかし、管理人が佃煮発言を修正するよう求めているように対し、佃煮発言の撤回や発言への反省が無いばかりか、太字で記載したようにあたかも自分の文章への読解力のない者の方が悪いのだ、としているのです(話を摩り替えていると言えるのかもしれません)。被災者への意識が欠如していると言っても過言ではなく、一切の反省はないものと受け取れるに十分である、と考えます。
さらには今回の管理人からの修正要請について『検閲というのがどういうものかを知る言い機会』と、同日付の日記で発言しています。


黒人被害者を蔑視する発言を平気で行い、しかも修正要請を一種の言論統制とまでして自分の非を認めない勝谷氏の発言は、批評でも批判でもない、単なる中傷に過ぎないでしょう。このような方が有識者として発言することに、深い悲しみと怒りを抱かずにはいられません。


ちなみに、カトリーナ後の救済/支援活動において、こんなニュースが報じられていました。

カニエ・ウエストの発言は、ジョージ・ブッシュ大統領の対応の遅さという点を指摘するには十分でしたが、黒人の被差別意識については、言い過ぎではないかという批判コメントや、"被差別意識はいけない"というコメントがmixi等にて掲載されていました。


しかし、今回の勝谷氏のような黒人蔑視の発言者が現実として存在する以上、差別意識が妄想ではなく形になってしまっているわけです。被差別意識はなくなろうにもなくならないのではと考えてしまいます。