facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

6/19『おおはた雄一ワンマンライヴ』@青山CAY

素晴らしい余韻が今も全身を包んでいます。おおはた雄一さんのワンマンライヴ、本当に素晴らしい一夜となりました。

会場の青山CAYに到着し、共に観賞するmicoさん、キド兄弟のたかさんと待ち合わせ、会場へ。会場は通常はレストランとして使用されているようで、この日のために200席近くの椅子が並べられていました。自分達はギターの指使いが観たいという思いで最前列の最も左側の席へ、酒を飲み談笑しつつ1時間後の開演を待ちわびてました。ちなみにステージにはギブソンのギターとスチールギター、そしてキーボード、ドラム、パーカッション。そしてマイクが一本。マイクはクラリネットに使われるとして、はてキーボードとドラムとは?という疑問を抱きつつ、ライヴは定刻ちょっとすぎにスタート。ちなみに自分は3人のうち最も左の席に座ったため、ステージ左側にあるパーカッション、キーボードは全く見えませんでした、がこれが後に…。

ステージにはサイドの出入り口が無いようで、並べられた椅子の間の、まるで相撲の花道のような通路からおおはたさんが登場。ワンマンライヴなのに凄く自然体な入場の仕方に、今日もいい意味で変わらないステージなのだろうという安堵感を抱きました。そしてその通り、いつもと同じ穏やかな空気が溢れるライヴとなりましたね。「いつもの珈琲」、「dove」、「汽車の唄」を続けて披露。クラリネット/サックスとパーカッションを従えて。弾き語り以外での姿は初めて観賞したのですが、全くもって自然で、クラリネットもパーカッションもおおはたさんのギターの音色と寄り添うように奏でられ、ギターの音色や歌世界をより一層高めさせる効果を担っていましたね。凄く自然体で、この3名でのスタイルはかなり気に入りました。その後未CD化音源を挟み、高田渡さんの曲のカヴァーコーナーへ。前回タワレコ横浜モアーズ店のインストアライヴでも披露した「珈琲不演唱」を演奏後、「値上げ」。歌詞がおかしくもまるで政府の常套手段めいた曲(リンク先に歌詞がありました)、この曲のこの日のライヴテイクが近くリリースされる高田渡さんのトリビュート盤に収録される、という発表がおおはたさんからあり、会場は大盛り上がり!でした。面白かったのは1回歌った後に納得いかなかったのか再度歌い直した事(どちらのテイクを取るかは分かりませんが、どちらのテイクも良かったです)と、歌い始めようとしたら子供の泣き声がして(しかもこの時だけ!)、その絶妙なタイミングに苦笑・爆笑したこと。してやられた?おおはたさんの微笑む姿が印象的でした。
その後、セカンドアルバム(にしてメジャーでの1st)『ラグタイム』収録の「あの子の居場所」を。パーカッションの方がステージ横の椅子に座ったままで、おおはたさんひとりで演奏するかと思ったら、呼ばれたのはスペシャルゲスト、クラムボン伊藤大助さん! ドラムは伊藤さんのためにあったのですね。伊藤さんの静かだけど凄く存在感のあるドラムとおおはたさんのギターの絶妙なアンサンブルに酔いしれること必至。曲の後もずっと伊藤さんがサポートとして参加。おおはたさんの歌世界に新たな挿し色が加わりました。4人でのプレイがひと段落すると、おおはたさん以外の3名がステージ横の椅子へ。そして、次に呼ばれたのがなんとクラムボン原田郁子さん!
(そいえば伊藤さんも郁子さんも、なぜかみかんを持って登場、おおはたさんに渡していて、なんでみかん?というおおはたさんの戸惑いっぷりも楽しかったです。)
「不思議なくらい」、そして郁子さんがライヴでカヴァーしていた「おだやかな暮らし」をふたりで共演(「おだやかな暮らし」では最後のほうに伊藤さんも参加)。これがめちゃめちゃヤバかった。最初はおおはたさんの音世界にピアノの音色って?と全くもって想像つかなかったのですが、その心配は杞憂…見事なまでに溶け合っていました。不思議に混ざり合い一つに昇華するギターとピアノ。そしておおはたさんの声と郁子さんのコーラスの呼応(郁子さんの高い声がまた素晴らしく映えるのです)。「おだやかな暮らし」でのギターフレーズを最後ピアノが受け継ぐところなんて、ただただ絶品でした。
ちなみに郁子さんとの共演前に、おおはたさんが自分の席のほうを見て、"(郁子さんが)見えないよね? (見えるように)通路に出て座る?"と言ってくれたのです。照れて遠慮してしまいましたが、まさかMCでおおはたさんと目線が合う、話を振られるとは!その優しさが非常に嬉しかったです。実際に郁子さんの姿が見えなかったのは残念ですが、耳で心でふたりの呼吸を感じ取ることができました。

本編は「DAWN」で終了。この後のアンコールへの拍手が凄く、おおはたさんの嬉しそうな顔がまた格別。お客さんの"朝までやろう!"の声に、(その声が常連の方だったらしく)"その声は…!?"と戸惑っていた様子も観てて楽しかったですね。アンコールはBob Dyranの「風に吹かれて」。おおはたさんがよく披露される曲ですが、この日のステージの演奏は一段と輝きを放っていました。その姿に再度起こるアンコール! アーティスト出入り口で一緒になってアンコールの拍手をしていた郁子さんの無邪気な笑顔がこの日のライヴの良さを語っていましたね(ちなみに2回目のアンコールの登場でも"朝まで〜"コール再び。) アンコールをお客さんから募り、シングル化されたThe Beatlesのカヴァー「Here Comes The Sun」、そして「おやすみアイリーン」でラストを飾りました。「おやすみアイリーン」のラストの激しさを募らせるギターも良かったです。

●セットリスト…下記のリンク先に記載されておりますのでご参照ください。


約2時間に渡っての素晴らしいライヴ。夢見心地な一夜となりました。おおはたさん、素晴らしい一夜をありがとうございました!