facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

5/3『発破道神髄〜番外編〜』@新高円寺Stax Fred

番外編、というにはあまりに豪華、いや濃いメンツが揃ったイベント。いつもの発破道よりMCが少ない分、それぞれが歌に打ち込み最高の自分を見せよう、魅せようとする姿が本当に格好良かった、5/3の宵です。


渋沢力也
4月は男子二楽坊の姿でしか見てなかったので、まとも?な姿を拝見するのは久しぶり、の渋沢君。開演前公言した新曲を、まさか1曲目にやるとは! タイトル「夜のランプ」への、並々ならぬ自信や今の充実ぶりを凄く感じました。ボサノヴァ感溢れた曲から「コーヒー」への流れもスムースで、めちゃめちゃ大人、でした。
面白かったのは、夜の世界へいざなうエロス全開の「ホストマン」で、歌詞のフレーズ"あまり若くない"を、最前列にいた川端深雪さんご一行に直で言ったこと。しかもいつもよりオクターブ上げて。狙ってたはず。川端さんもこの攻撃(?)何ら臆することなくむしろ笑って楽しんでたのが印象的。こちらもめちゃめちゃ大人です。
今回のライヴ、序盤・終盤のバラード(いずれもカラーは異なる)と中盤のエロス全開のアップ、と緩急をつけ、しっかりとした構成を持ってきているところも◎。前述「コーヒー」でキーを落としていた(ように聴こえた)のですが、低音の安定感が増すとより腰にじっくり沁みるソウルが聴けるんじゃないかな、と思います。今ハマッてるのがDonny Hathawayという渋沢君、よりドープな世界観を拡げてくれるんじゃないか、と期待は高まるばかりです。


春山弘臣
前述の男子二楽坊と同じ日のイベントが初見。其のライヴの素晴らしさにハマってしまった春山さんのライヴ。いやぁ、今回も素晴らしかった! 一切枯れることのないハイトーンの声とギターの凄みが重なって生まれる、春山節とでも言うべきスタイルが完全に確立されてましたね。前回観させて頂いたときのライヴと曲はほとんど重なることないのですが、今回拝聴した曲も良かったです。唯一(間違ってたらごめんなさい)重なっていた「ひまわりの気持ち」は個人的にとりわけ好きな曲で、あの曲の持つメロディの複雑な起伏をやすやすと乗りこなす姿はただもう見事としか言いようがありません。
ライヴ後に春山さんから、自分の声はそれほど高くないんですよ、と言われて驚いたのですが(確かに、地声が高い方なので、無理せず出せるということなのでしょうか)、春山さんの声の突き抜け方が半端じゃなく爽快で、まるで闇を切り裂くが如き声の魔法が、彼のハイトーンボイスをより強力なものにしてるんじゃないか、そう思うのです。「ひまわりの気持ち」、音源化切望です!


村守水分
GWは名古屋でライヴ三昧の水分さん。そんな中、この日のためだけに東京に戻ってくるのですから、並々ならぬ気合を感じずにいられません。終盤までMCレス(?)の姿からもその気合が表れていました。ただ、気合が入ってるからといってもこの方の場合は声に力が入ったりギターをかき鳴らしたりというのではなく、滑らかなギターの奏でと声との呼応、その一体感がいつも以上に、十二分に表れていた感じがします。聴くのが久しぶりの「浅い夢/青い夢」での、曲の長さを忘れさせるに充分な集中力や、「むかえにいく」での優しさ溢れる表現。初めて訪れたライヴハウス新高円寺STAX FREDのギターの音色の心地良さもあって一気に心に余韻が沁み込み、酔いも全身を一気に駆け巡った、そんな感覚を覚えました。最後に据えた(最近ラストが多い?)、「そのままで」も凄く良かったのですが、「赤いギター」「夢のあと」のようなマイナーコードの曲に、水分さんの声から漂う哀愁感がより魅力的に響く、そんな感じもします。


箱根登山隊
ハジメ隊長のソロを発破道で2度拝見し、声の力と爽やかキャラに圧倒されたのですが、今回ようやくユニットでの姿(無論フルで!)を拝見できました。
ハジメ隊長のヴォーカル・アコギと佐川新吾さんのエレキギターや低音のコーラスが変にぶつかることなど全くなく、互いが信頼し合い支えあうような感じのステージ(佐川さんの低音コーラスや不器用っぽさある照れの入ったMCも味がありますね)。心地良さ全開のステージがめちゃめちゃ格好よく、実に"大人な感じ"でした。曲の中にも遊び心が溢れているし(というと私がいろいろ知ってるみたいでやらしいですね。実際は、一聴してして分からない部分がありました。耳を鍛えないと)、こりゃあ足繁く通って彼らのハイレベルなグルーヴについていかないと!と思わずにはいられませんでした。
ブルース・ファンクからバラード、そして発破道で聴かせてくれた「モザイク」。一気に突き抜けていきました。高い集中力を維持し、それでいて自分達が楽しむことを忘れない(ハジメ隊長の充実感溢れる笑顔がひたすらに格好いい!)姿、充分に爽快でした。


こんな高いレベルのステージ連発なのですから、お客様は相当幸せモノですよ! かくいう自分も充実感に満ちて帰路へ。頭の中で♪ハ〜コ〜ネ登山隊〜、ってループでした。