facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

もはや『JASRACが音楽を殺す』と言えるかもしれない状況に

日本音楽著作権協会は29日、著作権使用料を支払わずにピアノなどの生演奏を行っている名古屋市中区のスナックやバー4店を相手取り、著作権侵害行為として、演奏禁止や楽器、音響装置の使用禁止を求める仮処分を名古屋地裁に申し立てた。対応次第で今後、計3265万円に上っている未払い使用料の請求訴訟も検討する。

(記事より抜粋)
昨日の裁判での判例におけるJASRAC及び裁判官の姿勢を糾弾した上で、『利者の一方的な一元論では、今後ますますこのような裁判が行われ、終いには私達が十分に音楽を享受できなくなるのでは、という懸念を抱きかね』ないと自分自身記載したのですが、まさに判決の翌日に、新たな申し立てをJASRACが起こしてしまいました。
判例の翌日に申し立てを行う行為は脅し以外の何者でもない、と考えざるを得ません。著作権の侵害自体は問題かもしれませんが、著作権の問題を啓蒙すべき立場の、そして音楽の潤滑油であるべき立場にあるJASRACが行っている行為は、(昨日の判例を正当なものとJASRACが考えるのであれば、それを公の場で述べきちんと遵守するよう呼びかけるのが正当な手段でしょう、にもかかわらず)裁判という場を用いて、法外な金額(妥当な金額を冷静に算出する必要があるでしょう。様々なサイトで金額の問題が指摘されています)を搾取しようとしており、とてもその行為が音楽のルールを守ってもらう為の啓蒙活動とは程遠い、最早脅迫による圧力である、と指摘せざるを得ません。
著作権侵害の事態そのものに関しては問題である、と自分は考えます。しかし、きちんとしたルールもなく突然店に現れ、裁判してもいい等と脅迫まがいの取立てをかける等、これまで露出したJASRACの行為は、結局JASRAC自身がきちんと正しい音楽の遵守を啓蒙することを行わなかったことが根底にあるものと考えることができるのではないでしょうか。

飛躍した私見かもしれませんが、JASRACの行為は音楽の楽しみを奪い、最悪の場合街から音楽が消える、音楽が(本来潤滑油であるはずの)JASRACに(そして著作権そのものの孕んでいる矛盾に)殺されてしまう、そう思ってしまいます。