facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

ソニー系レーベル"Hidden Beach"発のCDがタワーレコードで発売できない状況に

以前、自身のサイト7/28付『”Unwrapped Vol.3"で如実に現れたソニーの愚策』にて、フィラデルフィアのR&Bレーベル、Hidden Beach(日本での発売元はソニー)の作品、"Unwrapped Vol.3"(リンク元はタワーレコードでの紹介サイトの発売が、現地発売から2週間を経過した段階でも発売されていない状況を記載しました。後に同日のコメントにて「タワーレコードにありました」との情報が記載されたことや、自身が結局Amazon.co.jpにて購入できたことを理由にその後の状況を追ってはいませんでした。しかしながら、本日改めてタワーレコード渋谷店の店員の方にあるきっかけを元に"Unwrapped Vol.3"の状況を伺い、やはりおかしな状況になっていることに気付かされました。

結局、"Unwrapped Vol.3"はタワーレコードで −少なくとも渋谷店に関して− 販売できなくなった、ということ。そして、その理由として、詳細は不明ですが輸入元のソニーが販売(取扱)を止めたとのこと。

これらを店員の方より伺うことができました(この場を借りて、懇切丁寧に動向を説明してくださったタワーレコード渋谷店フロア店員の方に御礼申し上げます)。
これにより、国内盤の発売予定が経っていない"Unwrapped Vol.3"は、Amazon.co.jp以外での購入方法がほぼなくなった、と言ってもいいでしょう。尚、HMV渋谷店でもCDを見かけたことはありませんし、実際に今日も探してみましたがありませんでした。


伺ったきっかけは、"Unwrapped Vol.3"と同じHidden Beachより、8/31に輸入盤が発売されたJill Scottの2ndアルバム"Beautifully Human: Words And Sounds Vol.2"がもしや発売されないのでは、との懸念があり、渋谷のタワーレコードHMV及びRECOfanを回ってみて、タワーのみJill Scottのアルバムが置いていない状況でした。その点からJill Scott未発売の点を踏まえ、"Unwrapped"にも話を膨らませた次第です。
そのJill Scottについては、(他のお客様からも「他の店にはある」との指摘を受けていたようです) 「輸入元のソニーの何らかの事情で店舗には入ってきていない」との理由を伺うことが出来たのですが、RECOfan、そしてHMVと同日発売が出来ないことは何かしらソニータワーレコードに何か仕掛けたと考えるのが自然ではないでしょうか。私見ですが通常の動きとして輸入盤は火曜に店頭に並びます(一部は前週土曜あたりから並んでいるものもあります。RECOfanでは繰り上げ発売はほぼ見られません)し、タワーとHMVが通常は同日発売で競い合っています。ですから一日経った水曜の段階でHMVとタワーでこうも大きな開きが、しかもHip-Hop/R&B専門誌「blast」の最新号でのR&BのCDレヴューで1ページ丸々使用され絶賛されたことからも分かるくらい注目されているであろう作品において、生まれていることはあまりに不自然です。
Jill Scottについてはいつ発売するか、また最悪の事態(発売できない状況)はあるか、を今後も探っていかないといけません。

今回において、当然ながらアメリカのR&Bレーベル、Hidden Beachを取り扱うソニーに対し、今回のタワレコの一連の発売不能状況への理由を伺う必要があります。しかし、自分自身今回の件で非常に嫌な思いを抱いています。その理由として、以下の点を挙げます。

"Unwrapped"は国内盤のリリース予定がない一方、Jill Scottの方は9/23に国内盤のリリースが決定している

著作権法改正が通ってしまい、来年一月以降は国内盤でリリースされる(もしくはそう予定されている)作品の輸入盤は日本で発売できないという可能性が出てきています。逆に言えば輸入盤のみで国内盤が発売されない作品はきちんと日本に輸入されなければなりません。ところが"Unwrapped"については(厳密にはAmazon.co.jpにて販売されてはいますが)、国内盤未発売にも関わらず輸入盤がお目見えしない状況に至り、特に店頭で目にすることはほとんどないという状況に陥ってしまっています。輸入について最悪の状況が迫っている(つまり分け隔てなく輸入盤を販売しない方に向かっている)と考えてしまうのは自分だけでしょうか。
また、"Unwrapped"自体はシリーズVol.1とVol.2が国内盤でもリリースされており、少なくともファンは自分も含めて少なからずいるはずで、であれば少しだとしても売り上げは見込めるはずです(しかもJ-WAVE"SOUL TRAIN"でも以前紹介されてました)。もしかしたら利益面で、売れないと考えた作品は輸入しない、という考えを業者であるソニーが抱いているようにも捉えてしまいかねません。となればこの先、国内盤未発売の輸入盤がどんどん輸入業者の意向で入らなくなっていく状況に陥るのでは、とも考えてしまいます。
状況を悪い方向に考えてしまいがちですが、ともかく何か嫌な臭いを感じずにはいられません。

●追記
"Unwrapped"シリーズはジャズ界(自分は詳しくないですが)の大御所や新鋭、さらにはソウルアーティストとしても有名なPatrice Rushenが参加する等、ジャズ・R&B等で注目すべき盤といっても過言ではありません。また、今後Hidden Beachからはゴスペル界の大御所、BeBe Winansの(恐らくは)新譜も予定されているようです。R&BだけではなくJazz・Soul・Gospel等、多くのジャンルが窮地に立ってしまう恐れがあるのではないでしょうか。
また、以前も7/28付で書きましたが、"Unwrapped"から曲を紹介していたJ-WAVE"SOUL TRAIN"のNavigator、RYU氏が、輸入権問題の際に番組で発言した内容を改めて紹介します(コチラです)。「その時が来たら」、という「その時」が迫っているような錯覚に陥っているように感じてしまいます。