facethemusic (過去ログ)

20040421-20070301。音楽問題を中心に記載したはてなダイアリー、【facethemusic】の移行、その記録。

追記

法案には見直し規定があるの?

OTO-NETAより。

法案には、甘利議員が断言した、「法案の見直し規定がある」という文章が明記されていないのです。

ということは、自民党コンテンツ産業振興議員連盟会長である甘利議員は、この法案の詳細をきちんと知らないまま(理解しないまま)法案を通そうとしている、とも取れるのではないでしょうか。知らない人間が通そうとしている法案…恐怖感が増すばかりです。

ITmedia LifeStyle 連載第2回:輸入音楽CDは買えなくなるのか?『「副作用」は覚悟していた――文化庁に聞く著作権法改正の舞台裏』

 関連:スラッシュドット ジャパン『すりかえられた著作権法改正案、輸入CDは禁止に』

文化庁・長官官房著作権課の法規係長、森下平氏へのインタヴューが掲載されています。読んでいて、何度となく「?」が頭の中を駆け巡ってしまいました。
そして。

テレビ朝日 スーパーJチャンネル 5/17(月)のニュースで報道されました。

シンポジウムの模様や5/13の記者会見の映像もあります。なんといっても大きいのは、夕方のニュースで登場したこと。これが飛躍的に認知度を上げる、その足がかりとなればと思うのです。


(以下、書き起こし)


テレビ朝日 スーパーJチャンネル
キャスター:坪井直樹松尾由美子*1




(CM前)


<坪井>
洋楽ファンには心配です。



(VTR:ビートルズ作品の中ジャケ。BGM:The Beatles "Ob-la-di, Ob-la-da")


<ナレーション>
女:やっぱりいいわね、ビートルズ
(キャプション:「ところが!」の文字)
男:ところが! 


(VTR:洋楽CDが積まれた店の映像。BGM:The Beatles "Don't Let Me Down"
キャプション:「洋楽の輸入CDがなくなる!?」の文字)


<ナレーション>
男:そのビートルズなど、洋楽の輸入CDが、店頭から姿を消すかもしれないんです。


(VTR:街頭インタヴュー@渋谷タワレコ前。20代と思しき男性サラリーマン)


<サラリーマン>
輸入盤と国内盤だと、千円近く違ったりするので、金銭面だと、やっぱり、ホンットに困りますね。



(一旦CM。明けて、「国防長官が虐待を承認?」「ドリームジャンボ発売 "億万長者"チャンスは111人」に続いて)



(キャプション:「洋楽輸入CDが消える?」
スタジオの映像。キャスターの前フリ)



<松尾>
ところで坪井さんは洋楽を聴きますか?
<坪井>
David BowieDuran Duran大好きでしたねぇ。輸入盤も安いですからねぇ。
<松尾>
そうですよねぇ。その輸入盤の洋楽CDがひょっとしたら買えなくなるかもしれないんです。




(キャプション:右上に「洋楽輸入CD 消える? 安いのに…ナゼ?」)


(VTR:街頭インタヴュー@渋谷タワレコ前)


<インタヴュアー>
輸入盤、よく買われます?
<20代サラリーマンの男性>
あ、はい、買いますね。安い、っていう面が一番大きいですね。
<20代女性>
安いから。
<40代男性>
安いからですね。
<20代男性 楽器を持っている>
安いですもん。


(VTR:タワーレコードでCDを探す人、試聴機で聴く人の画 BGM:The Beatles "Get Back")


<ナレーション>
ビートルズなど、洋楽CDの年間の販売枚数は、1億3000万枚。その半分は、海外からの輸入盤です。輸入盤の魅力は、なんといっても、その価格。



(VTR:渋谷タワレコ前。経済部 長谷川洋記者が国内盤と輸入盤のThe Beatles ”Let It Be... Naked"を持っている。画面は2枚のCDを徐々にアップ)


<長谷川>
こちらはビートルズのCDです。左側が輸入盤、右側が国内盤です。輸入盤は2090円、そして国内盤は2800円。なんと価格差が800円もあります。



(VTR:国内盤と輸入盤のThe Beatles ”Let It Be... Naked"のアップ。キャプションで「輸入盤が消える?」と大きく中央に表示。そこから、参議院の画、とあるCD店の還流盤邦楽CD大量陳列の画へ)


<ナレーション>
輸入盤は国内盤に比べて、2割から6割安いというデータもあります。その輸入盤が、店頭から消えるかもしれません。先月末、参議院を通過したある法案が、その鍵を握っているのです。その法案とは、著作権法の改正案です。



(VTR:自民党 甘利明衆議院議員)


<甘利>
アジアで安く作られて本当はアジアでしか売っちゃいけないものを、大量に仕入れて、まぁ横流しをして、儲けようとする人がですね。どんどん増えてきていって、これがあの、次第に日本の市場をですね、侵食しちゃっていると。これは放置できない状態になってきた。



(VTR:とあるCD店の還流盤邦楽CD陳列の映像)


<ナレーション>
アジア各地では、現地で生産された邦楽CDが、日本より安い価格で売られています。このCDが、日本に逆輸入され、レコード会社の売上に打撃を与えているというのです。この、逆輸入を防ぐというのが法案の元々の狙いでした。
ところが、思わぬ副作用が浮かび上がりました。邦楽ばかりでなく、洋楽CDの輸入までストップする可能性が、出てきたのです。



(VTR:小倉秀夫弁護士)


<小倉>
(外国のレコード会社が)日本盤を流通させるから、その、(安い)米国盤は日本では売ってくれるなと、いう通知すると、その、税関は止めなきゃいけない。



(VTR:5/4開催のシンポジウム@新宿ロフトプラスワン)


<ナレーション>
危機感を持った音楽関係者等は、都内で緊急のシンポジウムを開きました。



(シンポジウムでの音楽評論家 ピーター・バラカン氏の発言)


<ピーター>
輸入盤として入ってくるものを規制しつつ、しかも国内で売るものの値段を、あの、無理に、こう高くしておくっていう、これは、まあ、ちょっとずるい。



(シンポジウム終了後の、民主党 川内博史 衆院議員のインタヴュー)


<川内>
今まで1800円で買えたものが、3000円の(日本盤)コピーコントロールCDしか買えなくなってしまう、可能性があると、いうことなんですね。この法律によって。それはもうホントに、あの、音楽ファンにとっては大きな危機だと思います。



(VTR:5/13に開かれた記者会見の映像)


<ナレーション>
また、音楽業界の関係者500人も、法案に反対する異例の声明を発表しました。



(VTR:CDショップ、アートショップ「ナディッフ」店内の様子)


<ナレーション>
輸入禁止は、輸入盤専門店にとっては死活問題です。




(VTR:アートショップ「ナディッフ」 五十嵐玄氏)


<五十嵐>
お店の面白さ、棚の面白さ、というものを作っていく上では、輸入盤というのは必須のものだと思うんです。ですので今回の法規制と、いうようなことは、そういう時代にあって、非常に逆行する、ことではないかと(思って心配しています)。



(VTR:CDショップ、アートショップ「ナディッフ」店内の様子)


<ナレーション>
法案は、今月末の衆院での審議を残すのみ。衆院で可決、成立すれば、来年1月にも施行されます。



(VTR:自民党 甘利明衆議院議員)


<甘利>
洋盤を楽しむ人たちがですね、あの、実態として非常に困っているようになった場合、法案の見直し規定があります。で、そういうことにはならないと思いますけどね。
<インタヴュアー>
輸入海外洋盤がストップすることはないですね?
<甘利>
ないです!(断言する) …(約3秒の間を置き、安心してください、と言いたそうな笑顔で)大丈夫ですから。



(VTR:河村建夫 文科大臣)


<河村>
かなり私は、誤解があるんじゃないかと思います。



(VTR:CDショップ、アートショップ「ナディッフ」店内の様子。後に陳列されたCDの画へ)


<ナレーション>
レコード会社が加盟する、日本レコード協会は、「音楽愛好家には何ら不利益、不自由を与えません」とするコメントを出しました。しかし、法的に可能である以上、不安は残ります。



(VTR:音楽評論家 萩原健太氏)


<萩原>
レコード会社の心積もりひとつで、そういう、全く輸入盤が入ってこなくなるという状況も作れるんだぞ、という法案だとすれば、それは困りますね。




(スタジオに帰り、そのままCMへ)


*1:小宮キャスターは年金未納問題の責任を取り、今週1週間休みとのことです

TBSラジオ 森本毅郎・スタンバイ!(月-金 6:30〜8:30)内、「現場にアタック」のコーナーにて輸入盤CD規制の法案改正が取り上げられました

5/17(月)の同コーナー(7:35〜7:45頃)に、音楽評論家の高橋健太郎氏が出演し、同問題について森本氏と話し合われました。
noeさんが書き起こししていただいております。ありがとうございます。

2004.5.17OA TBSラジオ 森本毅郎スタンバイ 「現場にアタック」 書き起こし

(情報提供:noeさん@テレビ見ようよ!(仮) しゃべれ場)

署名活動にあたって


実は個人的に、シンポジウムの開催前、4/29に渋谷にて署名活動を行ったことがあります。この問題に同じく反対し、同じR&BファンでもあるHmdHiroさんと実施しました。
署名は今週末が一番のヤマかと思います。活動を行われる方への参考になれば、と考え、その時の状況を載せたいと思います。


(引用元:HmdHiroさんHP掲示板-内容を一部編集してあります)


この場で、今日の結果を報告します。

  • 時間…4/29 12:00〜15:00 11時に着いたらセンター街も全然人がいなくて、場所を探してたりしたら12時開始になりました。3時間やったらクタクタになったw
  • 場所…タワレコ横交差点 渋谷区のビラ配り・署名活動の規制区域の関係で輸入CD店の側としてはここが一番適当という事に。午前中色々見て決めました。
  • ビラ枚数…150枚 途中で署名してくれた人が戻ってきて「今から野外活動に行くから、そこで配ってくるからビラをください」と言われて40枚ほど渡したので自分(HmdHiroさん)とface(自分です)で100枚強くらい配りました。
  • 経過…大体、1/100〜200名の割合でビラを受け取ってくれました。「お願いします」ってビラ見せたら、軽く見た後にいらないって断られた時は、「うーん、これが洋楽に興味無い人の反応か」と思った。確かに、客観的に見れば、「邦楽と一緒になるだけでしょ」になるのかな?タワレコの袋持ってる人 1/3〜5の割合でビラを受け取ってくれました。洋楽好きはこの割合なのかな?ヘッドフォンしてる人 1/10〜20の割合でビラを受け取ってくれました。

(個人的感想…タワレコの交差点には大型ヴィジョンがあり、その下で行いました。実施の時はちょうとD12の新譜発売時でしきりに"My World"がかかり、その時のヴィジョンへの注目度が高かったからか(さすがDr. Dre系の音は一聴して分かるキャッチーさ)、その時の署名率は高かったものと思います。なので音を武器にするといいかもしれません)

  • 署名人数…34名 署名までしてくれたのはこの人数だったです。皆最後に「頑張ってください」と言って頂いたのが嬉しかったです。2/3はネットやニュースとかでこの問題を知ってたみたいです。
  • 今回の成果として
    • 2人一組で数メートル離れて配る…この方法が結構良かったです。一人目からビラを受けとって、歩きながら読んでる人が二人目の近くに来た時に「もし良かったら署名もお願いします」と頼むのは。もし一人だったら、半分も集まらなかったと思います。
    • A4胸看板…これが無いと、どんなビラを配っているか分かってもらえないのでそれなりに役立ちました。看板みて、向こうから来てくれた人もいたので。ただ、もっとメジャーなアルバムのジャケの方が良かったかもw

(個人的感想…ジャケットはHmdHiroさん作成。R&Bアルバムのジャケットを何枚か重ねて撮った写真を前後に、サンドイッチ状態で身体につける、というものでした。今後行うなら、売上や認知度を考慮し、Avril、UsherAerosmithLenny Kravitz、Janet、N.E.R.D.Outkast、Missy…(後半は今月来日組です)で構成すると一番分かりやすいかもしれません)

こんな感じでした。結構疲れたけど、思った以上のやりがいがあったです。効率は悪いけど、その分、イイ経験をさせていただきました。


補足1…4/29段階では圧倒的に認知度が低かった、という一点につきます。
補足2…基本的に渋谷区では署名活動は全面的に禁止、とのことです(渋谷警察署では受け付けてくれません)。またビラ配りもHMVタワレコや3つのRECOfanディスクユニオンの前も禁止区域になっています。ビラ配りの許可を戴くには、実施日より平日単位で2日前の9-16時に渋谷警察署の2階で受付を行わなければなりません。

先見日記 5/16 坂本龍一氏「国民保護って?」


5/9付の坂本氏の日記にて、自分のサイトを取り上げて頂き、本当にありがとうございました。
曜日毎に各著名人が連載している先見日記。5/16では坂本氏が国民保護を取り上げています。

凄く気になった文章なのですが。


どういう法律で、自分たちの生活にどのくらい関係があるのか、
名前からでは分からないから、
少し面倒でも法律の中味を読み解く必要がある。
しかし、そんな面倒なこと、普通しないだろう。
こうやって、国というものは変えられていくんだなあ。


ここでは、私自身の稚拙な文章で、また、国民保護法とは違った観点からで申し訳ないのですが、著作権法の改正法案の側面から私見を。


著作権法の改正案を反対する自分は、逆にこれまでいろいろな法律改正にはてんで無関心・無意識で、それこそ日本国民か?と思うくらい政治に興味がなかったのです。
が、今回の改正案を見るにつけ、それが参議院を通過して初めて知ったことに、いかに政治の世界が自分達の知らないうちに済まされようとしているか、を思い知った次第です。知らないうちに、に加え、知ったとしてその矛盾点が明らかになったとしてもそれが強行突破されてしまうことがさも当たり前になっています。年金法案なんてその最たるもの。無論今回の著作権法改正案もそのように矛盾点を突いても強行で押し通されようとしています。
首相の国民年金未納が発覚し、同時に対抗勢力、民主党の新代表が決定した、まさに同じ日にその首相が訪朝を決め、いろんな圧力や批判を封じ込めてしまいました(訪朝が間違っているのではありません。何故にこのタイミングで?という。しかも、首相自らが党員の年金の未納を発表しなくても良い、と自身の汚点発覚の前に党内議員に伝えていたという(コチラ)。かなり画策的に思えてなりません)。まあ、考えすぎの感は否めないのですが。

今、自分にできることは、今回の問題をより多くの人に伝えることでしかありません。そして何ができるのか、を提案させることにすぎません。
国会を形成する議員が選挙の形で「のみ」選ばれる以上、国民には選出した政治家を監視し、必要ならば次の選挙で選出させないことも出来る訳ですから、単に「許せない」と言うだけで行動に移さない、選挙権等を放棄したりすればそれは実質、「諦めて従うだけ」と同じだと思うんです。著作権法の改正法案は参議院を通過しています。正直言えば、衆議院通過の可能性は極めて高い、とも思っています。でも、なにかしらアクションを取り、その反対運動が良識ある議員の耳に止まることを信じて、行動しているのです。良識を持っていただけない議員がいたら、最終的に選挙権を行使しその議員を外すよう努めるということもできる。

かなり語ってしまうようで自分でも恥ずかしいですし、正直かなりウザい文章で申し訳ありません。政治的なことにあまり触れるのはどうか、とは思っています。でも、そういう風に政治を監視しないと、国民の不利益(一部業界だけが偏った有益…でも最終的に国民の不信感を買って無益になるはず)ばかりが被られてしまうのではないか、と思います。そして行き着く先が、ここなのかな、と。↓


日本は確実に戦時体制の国へと変貌をとげつつある。

(先見日記 5/16 坂本龍一氏「国民保護って?」 より)

今週のJ-WAVE VIVA ACCESS(月-木 11:30〜14:00)


お休みの南美布さんに代わって、別番組で美布さんとコンビを組む福ノ上達也さんが担当。
で、いつも豪華な番組ですが、今週も豪華なのでチェックしてみます。

輸入盤CDが規制されれば、この番組のレコメンドCD(トップページにジャケット掲載。20枚)もどうなってしまうのでしょうか…それにしてもセンスがいい(と思う)ので、レコメンドも必見です。

今日の1枚…"La Dona" Teena Marie-[HMV]


Amazonから届いた一枚。10年ぶりですか? 凄い歳月が経ちながらもFugeesのネタ使いや、自身のサントラ参加*1で健在をアピールしてきただけに、年月は感じられなかったのですが。
いや、かなりいいです本当に。といっても昨日の書き起こし終了後ぼけーっとしているときのBGMだったので意識的に聴いてなかった、といえばそれまでですが。それでも、このフレーズいい!このメロディいい!! と何度もジャケットのクレジットと照らし合わせる…というのは自分ではそうそうありません。
JazzyなR&B(というかJill Scott?的な"Baby I'm Your Field")もあればD'Angelo"Brown Sugar"をまぶしたソウル風味もあり。Gerald LevertやらCommonやらRick James(!)等の豪華面子の参加もありながら、全てがTeenaの引き立て役。しかも彼女のクセの強いヴォーカルに、全くのイヤラシサが感じられない、大人の円熟味を醸して、美味の一言に尽きます。
Patti LaBelleの"New Day"(Sg)含め、大人風味に酔えます。



敢えて書きますが、この作品って国内盤になるんでしょうか?
Anthony Hamiltonのように半年待ち?とか。で、かの改正法案が仮に施行されて最悪の方向へ流れたら、輸入盤→国内盤に半年のインターバルが出てしまった場合、半年待つしかないわけで。
それじゃ、どんなにいい作品を共有したくても、世界の中で日本だけ置いてきぼりじゃないですか。
素晴らしい作品だけに、感傷的になってしまい申し訳ないのですが。

*1:[HMV]…カヴァー集にもなっているが堂々トップを飾っています。ドラマティックなメロディ構成なので彼女独特の声が多分に発揮